2014年6月19日。
《キルギスで僕が絶対にやろうとしていたこと。それは「遊牧民の生活に触れる」こと!ということで、夏場しか訪れることの出来ない極上の湖「ソン・クル湖」に向かった僕であったが、それはそれは波乱万丈な日々の始まりだった・・・!》
「イシク・クルもいいですけど、キルギスらしい大草原を見て遊牧民の生活に触れたければ、ソン・クルの方がいいですよ。」
キルギスには「イシク・クル」という有名な湖がある。当初は「中央アジアの真珠」とも称されるイシク・クルに行くつもりでいたのだが、キルギスについてメッチャ詳しいある方の上記のようなアドバイスを受けた僕は、そのアドバイス通りソン・クルに向かおうと決めたのだ。
行き方はさほど難しくはない。バスを何度か乗り継ぎ、最後はヒッチハイクをするか高くはなるがタクシーを使えば目的地のソン・クルまでは行くことができる。「ま、全然楽勝で行けるでしょう!」と余裕ブッこいて首都のビシュケクをスタートしたのだが・・・いやいやいや、これがまた一筋縄にはいかなかったのだ・・・!
そう、それはまさに「ヒッチハイク・トラブル」だった・・・!
「ここからヒッチハイクで行けばいいですよ」と言われたポイント、アルブラックまでは順調に行けた僕。しかし問題はここからだった。
「ソン・クルまで?いいよ、行ってあげるよ」という感じに、ソン・クルまで行く車は簡単に見つかる。旅人の装いの僕を見て「どこまで行くの?」と頻繁に話し掛けてもくる。
のだが・・・!
みんなたけぇでやんの、その金額!
いやね、僕はヒッチハイクがしたいのよ、お金ないし!親指立てたらけっこうみんな泊まってくれるのに、二言目には「いくら?」の繰り返し!
そう言えば中央アジアに行った旅仲間が「中央アジアは何かとお金お金で、ちょっと嫌になりますよ~」というようなことは言っていたのだが・・・なるほど、そういうことか・・・!
それから先も何台もの車は停まってくれるのだが、み~んな金!金!金!
そりゃ分かりますよ、僕ら旅行者を見たら少しでもお金を取ろうと思う気持ちは。そりゃそうですよね、キルギスの人から見れば、僕らは正直「お金持ちの国から来た旅行者」に他ならないのですから。
でもですね、う~ん、やっぱり嫌だな・・・。もうみんな金!しかも明らかに高過ぎ!
そんな状況がしばらく続き、「マズイ、これじゃ先へ進めないぞ・・・!」と思っていたところに優しい兄ちゃんが登場!
しかし彼は目的のソン・クル湖までは行かないという。でも、途中にある村までは連れて行ってくれるというのだ。もちろんタダで!
「おお、やった!捨てる神あれば拾う神ありだ!途中まででもいいからとりあえず進むぞ!」
ということで小さな村まで進んだものの、そこで再び足止め。
村の様子はこんな感じ。
な~んにもな~いよ~!
でも、村の人は優しかった。本当に優しかった!
ある1人のおばあちゃんは困っている僕の様子を見て家に招待してくれて、チャーイ(お茶)やらパンやらクムス(馬乳酒)やらを食べきれないほど振る舞ってくれたし・・・
僕が次から次へと車に交渉しては断られている(まぁ正確にいうとお金が高過ぎるから僕が断っているのだが)のを見かねたご家族は、同じく家に招待してくれた上にウォッカの嵐をお見舞いしてくれたし(これはきつかった)・・・。
キルギス人、みんな優しいんですよ!
お金については色々あると聞いてはいましたが、そんなのはきっとみんな同じこと。誰だってお金は必要だ。
確かにムカッとくる人もたくさんいた。でも、こんなに温かい人もたくさんいる。
いいじゃないか、それで!
それで気持ちいいじゃないか!
なんか、そんな気になってきた。
そう、前回学んだじゃないか。イライラはマイナスしか生まないって。
ということで、そんな状況こそ笑顔笑顔!そしたら、ついに温かい車がやってきた!
と言っても、この車もソン・クルまで行くわけではない。しかも時間は午後4時を過ぎていた。日は長いとはいえもう夕方だ。まさかソン・クルに行くだけなのにこんなに苦労することになるとは・・・。
そしておっちゃんは言った。「今日はもう遅いからウチに泊まっていけ。そんで明日の朝出ればいいよ!」と。
おおお、そう来たか!実はこの村の人たちも何人か「ウチに泊まっていけ」とは言ってくれたけど、このおっちゃんもか!やっぱり優しいじゃないか、キルギス人!
本当はこの日のうちにソン・クルまで行きたかった。でも地元の人と触れ合っているうちにメッチャ楽しくなってきたし、このへんで1泊になるのもまた愉快かな~とも思っていたのだ。
ということで「乗れ!」と言ってくれたその車、こんな感じ。しかも助手席には奥さんが・・・。
ということは当然、僕はここ!
いやっははは!久し振りの荷台の中だぜ!暗いぜ!ちょっと怖いぜ!
ということで連れて行かれた先は・・・!
まさにおっちゃんの自宅だった!
庭(というか大草原)にはたくさんの牛や馬がおり、おばちゃんがその乳を搾る。そして娘さんもその仕事を手伝っている。
まさに「キルギスの民」という世界だった。
しかし、彼らが住んでいるのは移動式住居の「ユルタ」ではなく、なんというか、コンテナを改造したような家に住んでいた。だから彼らが本当の意味の「遊牧民」なのかというと、そうではないのかもしれない。そもそも「遊牧」の定義すら大きく揺らいでいるこの時代において、そのようなことを深く問いかけることはナンセンスなのかもしれない。
まぁそはそれとして、このご家庭も本当に温かかった。
みんなが突然訪れた僕を「一員」として受け入れてくれるし・・・
この家の娘2人も可愛いし本当によく働くし・・・
ゲップしまくりのおじーちゃんもまさに貫禄抜群だった。
なんて言うか、この日は本当に不思議な1日であり、また大きな学びがあった。
人間って、やっぱり本質は「善」なんだと思う。むか~し性善説とか性悪説とかブログの中で書いたことがあるけど、どこの国に行ったって、絶対に「善い人」の割合の人が多いと思う。
困っていれば必ず誰かが助けてくれるし、どこにいたって人々の温かさを感じなかったことなどない。
なんかいいよなぁ、こういうの!
温かいよなぁ!
僕は冷静に思う。もし突然困っている外国人が目の前に現れたら、僕はどのような行動をしてあげられるのかって。
家に泊めてあげたり、言葉が通じなくとも心から寄り添うことは出来るのかって。
旅をしていると助けてもらってばっかりだ。その度に、逆の立場になった時の自分のことを考える。
言葉なんてどうだっていい。宗教なんてどうだっていい。生活習慣だってどうだっていい。
大切なのは「心」であり「魂」だ。今、本当にそう感じている。
そんな温かい「心」に包まれながら、僕はこの日この家で床についた。
でも、ここはまだ目的地のソン・クルじゃない。目指すべき地はまだ先にある。
そして翌日、僕の「ソン・クルへの道」はまだまだ波乱万丈に満ちていた!先日のトルクメニスタンに続き、キルギスも忘れられない日々の連続がやって来たのだ・・・!
2014年6月19日。個性的な人が集まることで有名なビシュケクの安宿にて。
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《キルギスで僕が絶対にやろうとしていたこと。それは「遊牧民の生活に触れる」こと!ということで、夏場しか訪れることの出来ない極上の湖「ソン・クル湖」に向かった僕であったが、それはそれは波乱万丈な日々の始まりだった・・・!》
「イシク・クルもいいですけど、キルギスらしい大草原を見て遊牧民の生活に触れたければ、ソン・クルの方がいいですよ。」
キルギスには「イシク・クル」という有名な湖がある。当初は「中央アジアの真珠」とも称されるイシク・クルに行くつもりでいたのだが、キルギスについてメッチャ詳しいある方の上記のようなアドバイスを受けた僕は、そのアドバイス通りソン・クルに向かおうと決めたのだ。
行き方はさほど難しくはない。バスを何度か乗り継ぎ、最後はヒッチハイクをするか高くはなるがタクシーを使えば目的地のソン・クルまでは行くことができる。「ま、全然楽勝で行けるでしょう!」と余裕ブッこいて首都のビシュケクをスタートしたのだが・・・いやいやいや、これがまた一筋縄にはいかなかったのだ・・・!
そう、それはまさに「ヒッチハイク・トラブル」だった・・・!
「ここからヒッチハイクで行けばいいですよ」と言われたポイント、アルブラックまでは順調に行けた僕。しかし問題はここからだった。
「ソン・クルまで?いいよ、行ってあげるよ」という感じに、ソン・クルまで行く車は簡単に見つかる。旅人の装いの僕を見て「どこまで行くの?」と頻繁に話し掛けてもくる。
のだが・・・!
みんなたけぇでやんの、その金額!
いやね、僕はヒッチハイクがしたいのよ、お金ないし!親指立てたらけっこうみんな泊まってくれるのに、二言目には「いくら?」の繰り返し!
そう言えば中央アジアに行った旅仲間が「中央アジアは何かとお金お金で、ちょっと嫌になりますよ~」というようなことは言っていたのだが・・・なるほど、そういうことか・・・!
それから先も何台もの車は停まってくれるのだが、み~んな金!金!金!
そりゃ分かりますよ、僕ら旅行者を見たら少しでもお金を取ろうと思う気持ちは。そりゃそうですよね、キルギスの人から見れば、僕らは正直「お金持ちの国から来た旅行者」に他ならないのですから。
でもですね、う~ん、やっぱり嫌だな・・・。もうみんな金!しかも明らかに高過ぎ!
そんな状況がしばらく続き、「マズイ、これじゃ先へ進めないぞ・・・!」と思っていたところに優しい兄ちゃんが登場!
しかし彼は目的のソン・クル湖までは行かないという。でも、途中にある村までは連れて行ってくれるというのだ。もちろんタダで!
「おお、やった!捨てる神あれば拾う神ありだ!途中まででもいいからとりあえず進むぞ!」
ということで小さな村まで進んだものの、そこで再び足止め。
村の様子はこんな感じ。
な~んにもな~いよ~!
でも、村の人は優しかった。本当に優しかった!
ある1人のおばあちゃんは困っている僕の様子を見て家に招待してくれて、チャーイ(お茶)やらパンやらクムス(馬乳酒)やらを食べきれないほど振る舞ってくれたし・・・
僕が次から次へと車に交渉しては断られている(まぁ正確にいうとお金が高過ぎるから僕が断っているのだが)のを見かねたご家族は、同じく家に招待してくれた上にウォッカの嵐をお見舞いしてくれたし(これはきつかった)・・・。
キルギス人、みんな優しいんですよ!
お金については色々あると聞いてはいましたが、そんなのはきっとみんな同じこと。誰だってお金は必要だ。
確かにムカッとくる人もたくさんいた。でも、こんなに温かい人もたくさんいる。
いいじゃないか、それで!
それで気持ちいいじゃないか!
なんか、そんな気になってきた。
そう、前回学んだじゃないか。イライラはマイナスしか生まないって。
ということで、そんな状況こそ笑顔笑顔!そしたら、ついに温かい車がやってきた!
と言っても、この車もソン・クルまで行くわけではない。しかも時間は午後4時を過ぎていた。日は長いとはいえもう夕方だ。まさかソン・クルに行くだけなのにこんなに苦労することになるとは・・・。
そしておっちゃんは言った。「今日はもう遅いからウチに泊まっていけ。そんで明日の朝出ればいいよ!」と。
おおお、そう来たか!実はこの村の人たちも何人か「ウチに泊まっていけ」とは言ってくれたけど、このおっちゃんもか!やっぱり優しいじゃないか、キルギス人!
本当はこの日のうちにソン・クルまで行きたかった。でも地元の人と触れ合っているうちにメッチャ楽しくなってきたし、このへんで1泊になるのもまた愉快かな~とも思っていたのだ。
ということで「乗れ!」と言ってくれたその車、こんな感じ。しかも助手席には奥さんが・・・。
ということは当然、僕はここ!
いやっははは!久し振りの荷台の中だぜ!暗いぜ!ちょっと怖いぜ!
ということで連れて行かれた先は・・・!
まさにおっちゃんの自宅だった!
庭(というか大草原)にはたくさんの牛や馬がおり、おばちゃんがその乳を搾る。そして娘さんもその仕事を手伝っている。
まさに「キルギスの民」という世界だった。
しかし、彼らが住んでいるのは移動式住居の「ユルタ」ではなく、なんというか、コンテナを改造したような家に住んでいた。だから彼らが本当の意味の「遊牧民」なのかというと、そうではないのかもしれない。そもそも「遊牧」の定義すら大きく揺らいでいるこの時代において、そのようなことを深く問いかけることはナンセンスなのかもしれない。
まぁそはそれとして、このご家庭も本当に温かかった。
みんなが突然訪れた僕を「一員」として受け入れてくれるし・・・
この家の娘2人も可愛いし本当によく働くし・・・
ゲップしまくりのおじーちゃんもまさに貫禄抜群だった。
なんて言うか、この日は本当に不思議な1日であり、また大きな学びがあった。
人間って、やっぱり本質は「善」なんだと思う。むか~し性善説とか性悪説とかブログの中で書いたことがあるけど、どこの国に行ったって、絶対に「善い人」の割合の人が多いと思う。
困っていれば必ず誰かが助けてくれるし、どこにいたって人々の温かさを感じなかったことなどない。
なんかいいよなぁ、こういうの!
温かいよなぁ!
僕は冷静に思う。もし突然困っている外国人が目の前に現れたら、僕はどのような行動をしてあげられるのかって。
家に泊めてあげたり、言葉が通じなくとも心から寄り添うことは出来るのかって。
旅をしていると助けてもらってばっかりだ。その度に、逆の立場になった時の自分のことを考える。
言葉なんてどうだっていい。宗教なんてどうだっていい。生活習慣だってどうだっていい。
大切なのは「心」であり「魂」だ。今、本当にそう感じている。
そんな温かい「心」に包まれながら、僕はこの日この家で床についた。
でも、ここはまだ目的地のソン・クルじゃない。目指すべき地はまだ先にある。
そして翌日、僕の「ソン・クルへの道」はまだまだ波乱万丈に満ちていた!先日のトルクメニスタンに続き、キルギスも忘れられない日々の連続がやって来たのだ・・・!
2014年6月19日。個性的な人が集まることで有名なビシュケクの安宿にて。
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