2014年6月24日。
※ウイグル人のモスクと漢民族が建てた高層ビルの不思議なランデブー。僕にはこれが不思議な光景に映る。
《ここは中国、だけど中国じゃない。とっても不思議な空気が流れている新疆ウイグル自治区。ここに来て、僕は思う。世界はもっと平和になれないものかと・・・。》
カザフスタン一の大都市アルマティから夜行バスに乗ってジャルケントまで行き、そこからさらにミニバスに乗ってコロガスという国境に着き、そこを越えてようやく・・・!
やって来ました、ついに中国!
思えば僕の旅のスタートは南米のブラジル。今はワールドカップで盛り上がっているあのブラジルからスタートし、ついにここまで辿り着いた・・・。
なんか感慨深いなぁ。
よくここまで歩いてきたもんだ。
街に溢れる漢字の看板。さぁこの大国を歩いて行くぞ!
ということで、国境を越えて最初にやって来たのがイーニンという街。
そう、中国らしさもあるのだけれど、全然「中国らしく」ないのだ。
※中国風の建物なのに、屋根の上にはイスラムの「三日月」があるのが印象的だ。
次にやって来たのは大都市ウルムチ。
そう、ここも同じような空気が流れている。
その近郊のトルファンもそうだ。中国らしさもいっぱいあるのだけど、「中国らしく」ないのだ。
知識として僕は知ってはいた。この新疆ウイグル自治区の住民の大多数はウイグル人であり、彼らは中国からの独立を強く求めている。近年その抵抗運動は激しさを増しており、死者が出るような過激な運動も行われていることも・・・。
街を歩いていると、不思議な感覚に陥る。
漢民族が築いた街。それはいわゆる普通の「大都市」だ。
高いビルに張り巡らされた道路。大きなデパートに大きな看板。ある意味でこれらは「中国らしい」光景だ。
しかしその裏に、ウイグル人の人々の生活がある。
美味しそうな果物や綺麗な民族衣装、ウイグル人独特の食べ物なのだろう、よく分からないけどアイスのようなものや肉の塊など、まるで表の大都会とは別世界のような通りが一歩裏には広がっている。
女性はみな綺麗な民族衣装に身を包み、男性はイスラムの帽子を被「中っている。至るところにモスクも建っている。そう、そこはまるで西アジアのような世界。一般的に抱く「中国」のイメージとは全然異なるのだ。
そんな世界を見ながら、僕は思うのだ。
「一体この世界には、どんな対立が存在しているの?」って。
もう一度言う。知識として僕は知ってはいた。この新疆ウイグル自治区の住民の大多数はウイグル人であり、彼らは中国からの独立を強く求めている。近年その抵抗運動は激しさを増しており、死者が出るような過激な運動も行われていることも・・・。
見た感じではあるけれど、漢民族もウイグル人も、普通に一緒に生活しているようには見える。
だけど大切なのは「見た目」じゃない。問題なのは「人々の意識」だ。心の問題だ。
僕は本当に腹を割って話を聞いてみたい。この移住してくる漢民族の人々は何を思っているのか、そしてこの地に古くから住み続けているウイグル人の人々は何を思っているのかを・・・。
実は今回、ウルムチに長く住むある方とお会いできる予定だった。しかしスケジュールの都合が合わず、結局会うことは叶わなかった。そのことは僕にとって本当に残念なことなのだが、嘆いても仕方がない。
でも、僕には感じる。ウイグル人の人々の生活が、まるで砂嵐に飲み込まれていくかのように漢民族に飲み込まれていっているのかなっていう雰囲気が・・・。
僕は特定の民族や国家を支持しているわけでもないし、何かの運動に参加しているわけでもない。だけど、何となく感じる。ウイグル人の人々がどんどん建設されていく「大都市」に飲み込まれ、このままではいずれ砂の中に埋もれていってしまうのではないかという奇妙な空気を・・・。
「外」の世界を眺めているだけでは、僕には「真実」は何も分からなかった。平和な空気が流れているようにも見えたし、追い込まれているウイグル人の様子も見えたし、でも普通に優しく接してくれる漢民族の姿もそこにはあった。
今ここでは、本当の現実の世界では、何が起きているのだろう。何が行われているのだろう。
ポッと現れた僕などには、そのことなど何も分からなかった。頑張って空気を吸ってみたけれど、「真実」は何も見えなかった。「表面の世界」しか見ることが出来なかった。
でも、1つ明確に分かったことがある。それは、中国当局が新疆ウイグル自治区での暴動を厳しく抑えているということ。
街中のどこに行っても、迷彩服を着た軍人や戦車が街を監視している。都市間を移動するときは必ず身分と荷物のチェックがあるし、スーパーに入るのにもバスに乗るのにも必ず荷物チェックがある。さすがに「人民軍兵士」に向かってカメラを向けることは出来なかったので、写真は撮れなかったのだけれど・・・(笑)。
「表面の世界」では静かだけど、実は当局が押さえ込んでいる世界が在る。そのことだけはよく分かった。
色々考えながら、街を歩いた。でも、頭の悪い僕には小難しいことはどうでもいい。ただ願うのは1つだけ。
「みんな仲良くしようぜ!」ってこと。
国も組織も会社も大きくなればなるほど色んな利害関係が絡んでくるってのは理屈では分かるんだけど、だけど分からないんだよな。
なんで仲良くできないんだろ?って。
全てを紐解いていったら、全てはすごく単純な気がする。すっげぇ簡単な気がする。
それを僕たち人間が複雑にしちまっているだけで、シンプルに考えていったら結局辿り着く先はとってもシンプルな場所な気がする。
簡単なんだよな、きっと。だけどそれが難しい。人間って不思議なもんだ。
そんなことを考えながら、今日もウルムチに夕日が沈む。もう午後9時なのにまだまだ明るいウルムチの夜。明日もいいことがありますよに・・・。
2014年6月24日。反日番組を共用スペースで流していることに強い違和感と反感を感じているウルムチのユースホステルにて。
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※ウイグル人のモスクと漢民族が建てた高層ビルの不思議なランデブー。僕にはこれが不思議な光景に映る。
《ここは中国、だけど中国じゃない。とっても不思議な空気が流れている新疆ウイグル自治区。ここに来て、僕は思う。世界はもっと平和になれないものかと・・・。》
カザフスタン一の大都市アルマティから夜行バスに乗ってジャルケントまで行き、そこからさらにミニバスに乗ってコロガスという国境に着き、そこを越えてようやく・・・!
やって来ました、ついに中国!
思えば僕の旅のスタートは南米のブラジル。今はワールドカップで盛り上がっているあのブラジルからスタートし、ついにここまで辿り着いた・・・。
なんか感慨深いなぁ。
よくここまで歩いてきたもんだ。
街に溢れる漢字の看板。さぁこの大国を歩いて行くぞ!
ということで、国境を越えて最初にやって来たのがイーニンという街。
そう、中国らしさもあるのだけれど、全然「中国らしく」ないのだ。
※中国風の建物なのに、屋根の上にはイスラムの「三日月」があるのが印象的だ。
次にやって来たのは大都市ウルムチ。
そう、ここも同じような空気が流れている。
その近郊のトルファンもそうだ。中国らしさもいっぱいあるのだけど、「中国らしく」ないのだ。
知識として僕は知ってはいた。この新疆ウイグル自治区の住民の大多数はウイグル人であり、彼らは中国からの独立を強く求めている。近年その抵抗運動は激しさを増しており、死者が出るような過激な運動も行われていることも・・・。
街を歩いていると、不思議な感覚に陥る。
漢民族が築いた街。それはいわゆる普通の「大都市」だ。
高いビルに張り巡らされた道路。大きなデパートに大きな看板。ある意味でこれらは「中国らしい」光景だ。
しかしその裏に、ウイグル人の人々の生活がある。
美味しそうな果物や綺麗な民族衣装、ウイグル人独特の食べ物なのだろう、よく分からないけどアイスのようなものや肉の塊など、まるで表の大都会とは別世界のような通りが一歩裏には広がっている。
女性はみな綺麗な民族衣装に身を包み、男性はイスラムの帽子を被「中っている。至るところにモスクも建っている。そう、そこはまるで西アジアのような世界。一般的に抱く「中国」のイメージとは全然異なるのだ。
そんな世界を見ながら、僕は思うのだ。
「一体この世界には、どんな対立が存在しているの?」って。
もう一度言う。知識として僕は知ってはいた。この新疆ウイグル自治区の住民の大多数はウイグル人であり、彼らは中国からの独立を強く求めている。近年その抵抗運動は激しさを増しており、死者が出るような過激な運動も行われていることも・・・。
見た感じではあるけれど、漢民族もウイグル人も、普通に一緒に生活しているようには見える。
だけど大切なのは「見た目」じゃない。問題なのは「人々の意識」だ。心の問題だ。
僕は本当に腹を割って話を聞いてみたい。この移住してくる漢民族の人々は何を思っているのか、そしてこの地に古くから住み続けているウイグル人の人々は何を思っているのかを・・・。
実は今回、ウルムチに長く住むある方とお会いできる予定だった。しかしスケジュールの都合が合わず、結局会うことは叶わなかった。そのことは僕にとって本当に残念なことなのだが、嘆いても仕方がない。
でも、僕には感じる。ウイグル人の人々の生活が、まるで砂嵐に飲み込まれていくかのように漢民族に飲み込まれていっているのかなっていう雰囲気が・・・。
僕は特定の民族や国家を支持しているわけでもないし、何かの運動に参加しているわけでもない。だけど、何となく感じる。ウイグル人の人々がどんどん建設されていく「大都市」に飲み込まれ、このままではいずれ砂の中に埋もれていってしまうのではないかという奇妙な空気を・・・。
「外」の世界を眺めているだけでは、僕には「真実」は何も分からなかった。平和な空気が流れているようにも見えたし、追い込まれているウイグル人の様子も見えたし、でも普通に優しく接してくれる漢民族の姿もそこにはあった。
今ここでは、本当の現実の世界では、何が起きているのだろう。何が行われているのだろう。
ポッと現れた僕などには、そのことなど何も分からなかった。頑張って空気を吸ってみたけれど、「真実」は何も見えなかった。「表面の世界」しか見ることが出来なかった。
でも、1つ明確に分かったことがある。それは、中国当局が新疆ウイグル自治区での暴動を厳しく抑えているということ。
街中のどこに行っても、迷彩服を着た軍人や戦車が街を監視している。都市間を移動するときは必ず身分と荷物のチェックがあるし、スーパーに入るのにもバスに乗るのにも必ず荷物チェックがある。さすがに「人民軍兵士」に向かってカメラを向けることは出来なかったので、写真は撮れなかったのだけれど・・・(笑)。
「表面の世界」では静かだけど、実は当局が押さえ込んでいる世界が在る。そのことだけはよく分かった。
色々考えながら、街を歩いた。でも、頭の悪い僕には小難しいことはどうでもいい。ただ願うのは1つだけ。
「みんな仲良くしようぜ!」ってこと。
国も組織も会社も大きくなればなるほど色んな利害関係が絡んでくるってのは理屈では分かるんだけど、だけど分からないんだよな。
なんで仲良くできないんだろ?って。
全てを紐解いていったら、全てはすごく単純な気がする。すっげぇ簡単な気がする。
それを僕たち人間が複雑にしちまっているだけで、シンプルに考えていったら結局辿り着く先はとってもシンプルな場所な気がする。
簡単なんだよな、きっと。だけどそれが難しい。人間って不思議なもんだ。
そんなことを考えながら、今日もウルムチに夕日が沈む。もう午後9時なのにまだまだ明るいウルムチの夜。明日もいいことがありますよに・・・。
2014年6月24日。反日番組を共用スペースで流していることに強い違和感と反感を感じているウルムチのユースホステルにて。
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