2014年6月29日。
《モンゴルの民は温かった。サイコーだった!でも僕は、そこから何を学べるのかを考えた。》
「え?ここ?」
ここはモンゴルと国境を接する街、タケシュケン。いや、とても街とは言えないのかも。砂漠の真ん中に忽然と小さな家や商店が作られただけの、本当に小さな街である。
ウルムチから夜行バスでチンフー(青河)に向かい、そしてチンフーからさらにバスに乗って辿り着いた僕は、最初にそう思った。明らかに人工的に開かれた街が、そこにはあった。
「タケシュケンって国境があるので、そこを抜ければ新疆ウイグル自治区からモンゴルに入れるんですよ。」
そんな小話を聞いた僕は直感的に感じた。「おし、この国境を越えてモンゴルに行ってみたい!」と!ここを抜けて中国へ入った旅人の情報はネットでも全然出てこなかったし、パイオニア感があっていいじゃな~かぃ、この!ってね。
ということでタケシュケンの街から苦労して国境に向かうミニタクシーを見つけた僕はそれに飛び乗り、なんとか国境へ!トラブルもなくモンゴルに入国し、あとはとりあえずの目的地、ブルカンに向かうのみ!
しかし国境を越えてからがビックリ!モンゴル人、みんな優しいでやんの!
入国審査官のおばちゃんでさえ色々話し掛けてきて、日本人だと分かるとすっごく愛想よく優しく接してくれて、手を引いて両替所まで連れて行ってくれた上にタクシー乗り場まで案内してくれて・・・。おばちゃん、アンタ自分の仕事は?って感じですけどね(笑)。
とってもイイカンジでモンゴルに入国し、ホクホクしながらな~んもないモンゴル側のタケシュケンに辿り着いた僕。本当はヒッチハイクをしたかったんだけど、ま~ったく車など通らないので、もう仕方なくおばちゃんに連れてきてもらったタクシーのおっちゃんに頼むことにした。
そして辿り着いたモンゴル西の果ての小さな街、ブルカン。ここもまたただひたすらにな~んもない!
ゴミ捨て場ではブタがゴミ食べてるし!
街に唯一あるというホテルに泊まろうとしたんだけど、ブルカンからちょっと歩くとメッチャ綺麗な川と草原があるんですよね!じゃあ・・・よし、そうか。俺はテントも持っているじゃないか!こんな綺麗な大自然があるのにホテルに行くなんてもったいない。となれば・・・!
「川沿いにテントを張ってキャンプしよう!」
ということで1人川を目指して歩き始めた僕。20分くらい歩いただろうか、とってもイイカンジの川辺に到着。おおおおお、もうこれ最高やんけ!
早速テントを張り、夜に備える。昨夜は夜行バスで風呂にも入れていないし、近くの川で一っ風呂浴びてやろうと色々準備をしていたら、一台のバイクが僕のもとに近付いてきた。そして、
「1人か?こんなとこにいないで、とりあえずこっち来て一緒に飲もう!」
それは地元のおっちゃんだった。少し先にもう1つテントがあったのだが、どうやらそこのおっちゃんのようだ。
言われるがままにそのテントまで行き、一緒にビールをいただいてしまう僕。そしてしばらくするとおっちゃん達が、
「よし日本人、風呂に行くぞ風呂!」
と言いだすではないか。それは要は目の前の川のこと!となれば一緒に入るしかねぇ!僕もおっちゃん達もパンツ一丁になって、いざ川へ!ちょっと冷たいけど気持ちいい~!
ちなみに子ども達はフルチンでゴーゴー!
※ホントにしっかりしている長女のオユンビティックちゃん。いいこでしたぜ!
川の風呂を終えた僕らは再びテントへ。するとおっちゃんの1人が、
「早くテントをたたんでこい。今夜はウチに泊まっていいから!」
ええ?マジすか?いきなりモンゴルゲルに泊まれるとは・・・!なんか最近そんな話ばっかりいただいてしまっているけど、うん、これもご縁だなきっと!よし、甘えてしまおう!
ということでサクサクとテントをたたみ、おっちゃんのバイクに乗っていざ「おっちゃんゲル!」へ!もう本当にモンゴル人、なんて優しいんだ・・・!
※ノーヘル?4ケツ?そんなの関係ねぇぜ!
最近、こんな「優しさ」に僕はたくさん触れている。そしてその度に思うのだ、「果たして僕には同じことが出来るのだろうか」って。
旅をしている日本人はよくこう言う。
「日本に来ている外国人を見かけたら、絶対助けてあげたいって思うよね。」って。
僕もまさにそう思う。こんなに自分のことを助けていただいて・・・本当にその恩返しがしたいなって心から思う。
でも、こうも思う。本当に同じように助けてあげることが出来るのかな・・・とも。
日本に戻って忙しく仕事を始めたら、きっとそんな余裕もなくなる。立ち止まって「どうかしましたか?」の一言さえ言えなくなる気がする。
ましてや「今日はウチに泊まっていけ!」なんて、果たして言えるのだろうか。
いや、別に家に泊めてあげることが優しの行きつく先ではないだろう。しかしいずれにしても、僕がこれまでに感じてきたような「ええ、本当にこんなことまでしてくれるんですか?」というようなことが本当に僕に出来るかって、なんかそんなことを考えてしまう。
「助けてあげよう!」の気概さえ持っていれば、それは難しくないはずだ。でも何故か・・・難しくなるような気がする。
それは今の日本の悪い部分を感じての想いなのかもしれない。見て見ぬふりをしてしまいがちな今の日本人、「触らぬ神に祟りなし」のように、触らなくなってしまった日本人・・・。
もちろん日本人の全てがそんな風になってしまったわけじゃない。田舎に行けば、日本人もとっても温かい。でもこの数十年、基本的に都会で生きてきた僕としては、なんだかそんな「空気の支配」を感じてしまってもいる。
だからこそ!まずは自分がその空気を打ち破ればいいじゃないか!そいういう存在になるためにも、今オマエは旅をしているんじゃないか!そう思いつつも、どんな自分になるのか、なってしまうのか、期待と不安を感じている自分自身がここにいるのだ。
そんな自分の魂の囁きを感じながら、僕はおっちゃんのバイクに乗り、「おっちゃんゲル」に到着した。
もう、みんな優しくて仕方ない。
「おうマサキ、これがモンゴルの伝統衣装だぞ、着てみろ!」と、勢いよく棚の奥からモンゴル衣装を出してくれた。
全然人見知りすることなく、僕にまとわりついてくる可愛い可愛いモンゴルの子ども達。
「もう食えないっす!」と言っても、次から次へとご飯を出してくれる優しいお母さん。
この時、実はモンゴルに入国してからまだ数時間しか経っていないのだ。
本当に温かいモンゴルの時間が、僕を包み続けてくれた。
遊牧民族であるモンゴル人は、伝統的に旅人を大切にするらしい。それは旅人が遊牧にとって貴重となる情報を運んできてくれる存在であると同時に、自らも「旅」をし続けて生きているかのような生き方をする遊牧民だからこそ、旅の最中での「おもてなし」の有り難さを知っているからなのかもしれない。
しかしいずれにしても、このご家族は僕をこれでもかというくらい温かく迎えて下さった。たまたま川辺でテントを張っていただけの、見ず知らず×100くらいの存在である僕に対して・・・。
もう、感謝の言いようがない。この有り難さをどう表現したらよいのだろう。
そして同時に、同じことを思う。
「俺には、これと同じようなおもてなしや手助けができるかな・・・。」って。
モンゴルの人々は、僕に大切なことを教えてくれたのかもしれない。そしてそれは、人としてとっても基本的なこと。とっても簡単なことで、でもとっても難しいこと。
「困っている人がいたら助けてあげなさい。」
誰もが知っていること。でも、誰もが出来ないこと。大切なことの本質は、実は足元にある。目の前にある。心のど真ん中にある。
そんなことを、僕に教えてくれたのかもしれない。
ありがとう、モンゴルの民。ちょっと俺、自分を見つめ直します。
ゴタゴタくだらないこと言ってないで、足元にある本質に立ち返ってみます。
モンゴル西部と日本の時差はたったの2時間。2014年6月26日、日本とほぼ同じタイミングで、太陽は西の空に沈んでいく。
2014年6月29日。ウランバートル中心部に位置するちょっと不思議な雰囲気の安宿にて。
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《モンゴルの民は温かった。サイコーだった!でも僕は、そこから何を学べるのかを考えた。》
「え?ここ?」
ここはモンゴルと国境を接する街、タケシュケン。いや、とても街とは言えないのかも。砂漠の真ん中に忽然と小さな家や商店が作られただけの、本当に小さな街である。
ウルムチから夜行バスでチンフー(青河)に向かい、そしてチンフーからさらにバスに乗って辿り着いた僕は、最初にそう思った。明らかに人工的に開かれた街が、そこにはあった。
「タケシュケンって国境があるので、そこを抜ければ新疆ウイグル自治区からモンゴルに入れるんですよ。」
そんな小話を聞いた僕は直感的に感じた。「おし、この国境を越えてモンゴルに行ってみたい!」と!ここを抜けて中国へ入った旅人の情報はネットでも全然出てこなかったし、パイオニア感があっていいじゃな~かぃ、この!ってね。
ということでタケシュケンの街から苦労して国境に向かうミニタクシーを見つけた僕はそれに飛び乗り、なんとか国境へ!トラブルもなくモンゴルに入国し、あとはとりあえずの目的地、ブルカンに向かうのみ!
しかし国境を越えてからがビックリ!モンゴル人、みんな優しいでやんの!
入国審査官のおばちゃんでさえ色々話し掛けてきて、日本人だと分かるとすっごく愛想よく優しく接してくれて、手を引いて両替所まで連れて行ってくれた上にタクシー乗り場まで案内してくれて・・・。おばちゃん、アンタ自分の仕事は?って感じですけどね(笑)。
とってもイイカンジでモンゴルに入国し、ホクホクしながらな~んもないモンゴル側のタケシュケンに辿り着いた僕。本当はヒッチハイクをしたかったんだけど、ま~ったく車など通らないので、もう仕方なくおばちゃんに連れてきてもらったタクシーのおっちゃんに頼むことにした。
そして辿り着いたモンゴル西の果ての小さな街、ブルカン。ここもまたただひたすらにな~んもない!
ゴミ捨て場ではブタがゴミ食べてるし!
街に唯一あるというホテルに泊まろうとしたんだけど、ブルカンからちょっと歩くとメッチャ綺麗な川と草原があるんですよね!じゃあ・・・よし、そうか。俺はテントも持っているじゃないか!こんな綺麗な大自然があるのにホテルに行くなんてもったいない。となれば・・・!
「川沿いにテントを張ってキャンプしよう!」
ということで1人川を目指して歩き始めた僕。20分くらい歩いただろうか、とってもイイカンジの川辺に到着。おおおおお、もうこれ最高やんけ!
早速テントを張り、夜に備える。昨夜は夜行バスで風呂にも入れていないし、近くの川で一っ風呂浴びてやろうと色々準備をしていたら、一台のバイクが僕のもとに近付いてきた。そして、
「1人か?こんなとこにいないで、とりあえずこっち来て一緒に飲もう!」
それは地元のおっちゃんだった。少し先にもう1つテントがあったのだが、どうやらそこのおっちゃんのようだ。
言われるがままにそのテントまで行き、一緒にビールをいただいてしまう僕。そしてしばらくするとおっちゃん達が、
「よし日本人、風呂に行くぞ風呂!」
と言いだすではないか。それは要は目の前の川のこと!となれば一緒に入るしかねぇ!僕もおっちゃん達もパンツ一丁になって、いざ川へ!ちょっと冷たいけど気持ちいい~!
ちなみに子ども達はフルチンでゴーゴー!
※ホントにしっかりしている長女のオユンビティックちゃん。いいこでしたぜ!
川の風呂を終えた僕らは再びテントへ。するとおっちゃんの1人が、
「早くテントをたたんでこい。今夜はウチに泊まっていいから!」
ええ?マジすか?いきなりモンゴルゲルに泊まれるとは・・・!なんか最近そんな話ばっかりいただいてしまっているけど、うん、これもご縁だなきっと!よし、甘えてしまおう!
ということでサクサクとテントをたたみ、おっちゃんのバイクに乗っていざ「おっちゃんゲル!」へ!もう本当にモンゴル人、なんて優しいんだ・・・!
※ノーヘル?4ケツ?そんなの関係ねぇぜ!
最近、こんな「優しさ」に僕はたくさん触れている。そしてその度に思うのだ、「果たして僕には同じことが出来るのだろうか」って。
旅をしている日本人はよくこう言う。
「日本に来ている外国人を見かけたら、絶対助けてあげたいって思うよね。」って。
僕もまさにそう思う。こんなに自分のことを助けていただいて・・・本当にその恩返しがしたいなって心から思う。
でも、こうも思う。本当に同じように助けてあげることが出来るのかな・・・とも。
日本に戻って忙しく仕事を始めたら、きっとそんな余裕もなくなる。立ち止まって「どうかしましたか?」の一言さえ言えなくなる気がする。
ましてや「今日はウチに泊まっていけ!」なんて、果たして言えるのだろうか。
いや、別に家に泊めてあげることが優しの行きつく先ではないだろう。しかしいずれにしても、僕がこれまでに感じてきたような「ええ、本当にこんなことまでしてくれるんですか?」というようなことが本当に僕に出来るかって、なんかそんなことを考えてしまう。
「助けてあげよう!」の気概さえ持っていれば、それは難しくないはずだ。でも何故か・・・難しくなるような気がする。
それは今の日本の悪い部分を感じての想いなのかもしれない。見て見ぬふりをしてしまいがちな今の日本人、「触らぬ神に祟りなし」のように、触らなくなってしまった日本人・・・。
もちろん日本人の全てがそんな風になってしまったわけじゃない。田舎に行けば、日本人もとっても温かい。でもこの数十年、基本的に都会で生きてきた僕としては、なんだかそんな「空気の支配」を感じてしまってもいる。
だからこそ!まずは自分がその空気を打ち破ればいいじゃないか!そいういう存在になるためにも、今オマエは旅をしているんじゃないか!そう思いつつも、どんな自分になるのか、なってしまうのか、期待と不安を感じている自分自身がここにいるのだ。
そんな自分の魂の囁きを感じながら、僕はおっちゃんのバイクに乗り、「おっちゃんゲル」に到着した。
もう、みんな優しくて仕方ない。
「おうマサキ、これがモンゴルの伝統衣装だぞ、着てみろ!」と、勢いよく棚の奥からモンゴル衣装を出してくれた。
全然人見知りすることなく、僕にまとわりついてくる可愛い可愛いモンゴルの子ども達。
「もう食えないっす!」と言っても、次から次へとご飯を出してくれる優しいお母さん。
この時、実はモンゴルに入国してからまだ数時間しか経っていないのだ。
本当に温かいモンゴルの時間が、僕を包み続けてくれた。
遊牧民族であるモンゴル人は、伝統的に旅人を大切にするらしい。それは旅人が遊牧にとって貴重となる情報を運んできてくれる存在であると同時に、自らも「旅」をし続けて生きているかのような生き方をする遊牧民だからこそ、旅の最中での「おもてなし」の有り難さを知っているからなのかもしれない。
しかしいずれにしても、このご家族は僕をこれでもかというくらい温かく迎えて下さった。たまたま川辺でテントを張っていただけの、見ず知らず×100くらいの存在である僕に対して・・・。
もう、感謝の言いようがない。この有り難さをどう表現したらよいのだろう。
そして同時に、同じことを思う。
「俺には、これと同じようなおもてなしや手助けができるかな・・・。」って。
モンゴルの人々は、僕に大切なことを教えてくれたのかもしれない。そしてそれは、人としてとっても基本的なこと。とっても簡単なことで、でもとっても難しいこと。
「困っている人がいたら助けてあげなさい。」
誰もが知っていること。でも、誰もが出来ないこと。大切なことの本質は、実は足元にある。目の前にある。心のど真ん中にある。
そんなことを、僕に教えてくれたのかもしれない。
ありがとう、モンゴルの民。ちょっと俺、自分を見つめ直します。
ゴタゴタくだらないこと言ってないで、足元にある本質に立ち返ってみます。
モンゴル西部と日本の時差はたったの2時間。2014年6月26日、日本とほぼ同じタイミングで、太陽は西の空に沈んでいく。
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