今回の日曜美術館は、 わずか20歳の若さで夭逝した、大正時代彗星のように現れた天才画家、関根正二(1899~1919)です。
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福島県に生まれ、1908年に上京し、後に美人画で有名になった伊東深水(娘は朝丘雪路)の紹介で15歳から印刷会社に勤めます。
1915年16歳の時に描いた、「死を思う日」が第2回二科展に入選します。
1918年19歳の時に、二科展出品作の 「信仰の悲しみ」が樗牛賞に選ばれるなど、画壇の脚光を浴び始めました。
しかし、その翌年、結核のためにわずか20歳で夭折します。
余りにも短過ぎた生涯のため、現存する作品は少ないが、彼の代表作である「信仰の悲しみ」は日本の近代洋画史を代表する傑作の一つと評され、2003 年に重要文化財の指定を受けています。
『信仰の悲しみ』
野を歩く女性たちは何をしているのでしょうか、、、。
関根の代表作で、大正7年の二科展で樗牛(ちょぎゅう)賞を受けました。
原色 を用いた不思議な幻想、非現実的な雰囲気で一躍注目を浴びました。
この絵を描いた19歳の頃は、極度の神経衰弱に陥っていました。
日比谷公園で数人の女性が行列になって歩く姿に、眩い光に包まれている状態を見出したことから描かれた幻想的な作品です。
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『子供』
目を射るような朱色の着物と青い背景で鮮やかさが際立っています。
顔もその照り返しをうけたように、赤く染まっています。
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『三 星』
関根は幾度も恋をします。ときに有頂天になり、やがてふられ、悲しみの底に沈みます。
恋しい人の姿を絵にとどめました。
右の朱色の人は恋人だと言われています。
そして中央は自分自身、耳を被っているのは包帯でしょうか。
耳を切ったゴッホに似せた自画像ではないか、とも言われています。
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これらの絵は、大正時代を代表する名作として100年後の今も輝きを放ち続けています。
関根の青春は、天才芸術家ならではのエピソードに覆われています。
長屋の2畳ほどの狭いアトリエ、絵具も買えない貧乏生活。
失恋に次ぐ失恋。そして狂気に彩られた創作への没頭。
14歳の時に無銭旅行で知り合った河野通勢からペン画やルネサンス大家の画集を見せてもらったり、大正14年第2回二科展 で特別陳列された安井曾太郎の滞欧作品を見たりしたことが、関根の作風に大きく影響しています。
河野通勢の影響で多くの膨大なデッサンを描いていますが、20歳前に自分で焼却してしまいます。
残された少ないデッサン画です。
信濃デッサン館にある「自画像」、17歳の作品です、
ペンによる鋭い線描で浮かび上がる顔が印象的です。
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『死を思う日』
夕暮れの気配が漂う木々が漂うなか、男が一人方をすぼめて歩いています。
暗い色調に不安な心が伝わってきます。
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残されたデッサンの数々
「三人裸像」
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「婦人像」
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「顔と裸婦」
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『自画像』
19歳の頃の自画像です。
やや斜めの顔が暗い背景から浮かび上がっています。
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『姉妹』
信仰の悲しみを描いた19歳の作品です。
これも幻影なのでしょうか。
花が咲き乱れる野原を歩む姉。背中の子どもはなぜか大人びた顔でこちらを見ています。
その着物は鮮やかな朱色です。
関根の特色ある朱色は、絵の具の名前をとって、関根のバーミリオンと呼ばれているそうです。
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関根が死の床でも描こうとしていた絵です。
『慰められつつ悩む』絵葉書
絵はその後姿を消し、今も行方不明です。
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関根の珍しい墨彩画
幼なじみの伊東探水が大切に持っていたものです。
青春の入り口、デッサンに励んでいた17歳の頃の作品です。
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最近、日展や京展にいっても、関根のようなぐっと胸がわしづかみにされる作品に出会うことは、残念ながらほとんどなくなりました。
勿論、画題はさまざまですが、どれも似通った作品が多くなって、絵の魅力が薄いのです。
姉妹の絵もいいですねぇ~~
墨絵も分かりやすくて私にでも理解できます
展覧会の世界も裏に回ればいろいろあるようで
最近は新聞をにぎわしたことがありました
展覧会の搬入・搬出をお手伝いしますが
昔のような真面目さが薄れている気がいたします
バーミリオンは本当に高い絵具でこれをしっかり
使う画家がいたのですね?
画材店をしている私はバーミリオン1本を買うと
美味しいおかずの材料が買えるのになんて思って
しまいます?
我が家も料理担当は主人です
私より上手いです。絵の苦手は
料理下手で何でも不器用と言われます
<わらい> だから努力するのですよ!
レシピは増えましたか?
主夫見習いで、掃除、買い物、ご飯作りをするようになったのは、私の定年退職後です。
それまでの生活が一変しましたが、なんとか今までやれているようです。
基本レシピは退職前に作っておきましたが、それだけでは足りないので、料理本を見たり、COOKPADを参考にしています。
夫婦二人ですので、作る量もしれていますから、、、。
あと、減塩パンはほぼ毎日焼きます。