相国寺の承天閣美術館で『石踊達哉展』が開催されています。


石踊達哉さんは、伝統的な花鳥風月を斬新に描き、「平成の琳派」と呼ばれているそうです。昭和20年生まれの日本画家です。
瀬戸内寂聴さんの現代語訳 「源氏物語」の装丁画や、金閣寺方丈の杉戸絵を描いたことでも知られています。
最近では、京都の妙法院の襖絵を奉納しています。
金地に春夏秋冬の植物をちりばめた「断雲四季草花図」や、大地にそびえ立つ円い輪が草花をまとう「輪廻転生」などがあります。
今回の承天閣美術館での展示会は、石踊さんが相国寺派の金閣寺の方丈に杉戸絵、客殿に格天井画を描いていた関係かもしれません。
作品は、第一展示室と第二展示室に分けて40点弱展示されています。
気に入った作品は、『秋草 晩秋』、『遠山桜』、『茜梅林図屏風』は、茜色の背景に老木の紅梅が咲き誇る屏風です。とてもいいです。
『錦秋』も素晴らしい紅葉を描いています。
『源氏物語第28貼「野分」』、 『源氏物語第38貼「秋草繚乱」』、 『源氏物語第46貼「柳図屏風」』、『紅梅林図屏風』、『梅花満開』も気に入りました。

一方、『輪廻転生』は作者の世界観がもうひとつ理解できませんでした。
この作品は、石踊さんによると、制作途中に東日本大震災があり、他の作品とは異質に出来上がった。仏性を 視覚化しようと描いた現代の仏画と言っておられます。

見終わり、確かに平成の琳派と評価されるのは、わかる気がします。
しかし、意味不明な現代アート様な作品もあります。
両者が混在した画家と言えます。


石踊達哉の美術雑誌より
遠山桜

断雲四季草花図

金閣寺杉戸絵
