吐露で、これまでにも何度かお伝えしていますが
さっちゃんは、とんでもなく寝起きの悪い子です。
お父さんと私が、代わる代わる起こしに行っても、ぐーぐー。
何度声を掛けても、その声がどんどん大きくなっても、ぐーぐー。
それでなくても、朝はやることがいっぱいあって忙しいのに
さっちゃんを起こすのは、大変な時間のロスです。
段々イラついてきた私の声が、どんどん険しくなっても、やっぱりぐーぐー。
でも、流石にうるさいのか、毛布を頭の上まですっぽり被って、ぐーぐー。
そんなさっちゃんですが、今日は珍しく、5:45頃に起きたものだから
逆に私がぶっくりしてしまいました。
これなら、今日は時間に余裕をもって過ごせる。
そう思った私が甘かった。
なんだかんだと、ふと気が付くと、時計は6:20
あれ?
そう言えば、まだお顔を洗っていないような気が…。
嫌な予感と共に、さっちゃんのお部屋を覗くと
まだパジャマ姿で、呑気におもちゃを片付けているさっちゃんの姿が…。
「ちょっと!なにしてるの!」
私の声に、なにか?と言わんばかりのとぼけた表情のさっちゃん。
しくじった。
さっちゃんが起きたから、声を掛けるのを怠ってしまった。
さっちゃんにしてみたら、私のいつもの怒号が飛ばないものだから
すっかり呑気モードになってしまったに違いない。
時間は既に6:20過ぎ、
間もなく私が出勤する時間です。
長々と怒っている暇が無い。
よし。
「わかりました」
私は、さっちゃんに言いました。
「さっちゃんが、もたもたしてきちんと動いてくれないのなら
お母さんは、さっちゃんを無視することにします」
えっ?と言う顔で、私を見上げるさっちゃん。
私は、そのまま無言でさっちゃんのお部屋を出ると
自分の出掛ける準備に取り掛かりました。
すると、その後のさっちゃんの動きの早いこと早いこと。
なんだ、早く動けるじゃないか。
思わず、口元がにやりと緩んでしまいそうになるのを堪え
私は頑張って知らん顔を作ります。
やがて、大急ぎで着替えを済ませたさっちゃんが私の前に現れ
口を尖らせて、「ちゅー」と、顔を寄せてきました。
「知りません」
私はそっぽを向きました。
「起きないし、もたもたしてお着替えは遅いし
そんな子と、ちゅーなんかできません」
「やー!ちゅぅぅ~!」
さっちゃんも必死です。
私の両腕を掴んで、自分の胴に巻き
一生懸命ちゅーをしようとします。
「お母さんは、忙しいんです
もたもたしている人とちゅーする時間なんかありません」
「ちゅー!」
さっちゃんは、今度は両手で私の両頬をはさむと
強引に顔を寄せてきました。
無理に顔をそむけ様とすると、「ひょっとこ」のように顔が歪みます。
「ちゅーなんかしません」
怒るひょっとこにちゅーをせがむさっちゃん。
ふと気付くと、旦那さまがニヤニヤ笑いながら、私たちの様子を見ています。
「あんたたち、なにしてるの?」
ひょっとこは、笑い出したいのを必死に堪えながら答えました。
「いま、私の愛が試されているのです」
旦那さまは、くすっと、鼻先で笑いました。
ああ、もう6:35
早く出掛けなければ。
「お母さんは、もう出掛けます」
「ちゅー!」
敵は、一歩も引かずの構えです。
このままでは、さっちゃんを引きずったまま出勤しなければなりません。
くそー。
仕方がない。
私は、ひょっとこ顔を、さっちゃんのお顔にくっつけました。
ぶっちゅー。
さっちゃんが、にっこりと笑いました。
満足げな、いい笑顔でした。
最初は、いい感じで優勢だったんだけどなー。
あのちゅーがいけない、あのちゅーが。
結局、今日も私の負けです。
さっちゃんは、とんでもなく寝起きの悪い子です。
お父さんと私が、代わる代わる起こしに行っても、ぐーぐー。
何度声を掛けても、その声がどんどん大きくなっても、ぐーぐー。
それでなくても、朝はやることがいっぱいあって忙しいのに
さっちゃんを起こすのは、大変な時間のロスです。
段々イラついてきた私の声が、どんどん険しくなっても、やっぱりぐーぐー。
でも、流石にうるさいのか、毛布を頭の上まですっぽり被って、ぐーぐー。
そんなさっちゃんですが、今日は珍しく、5:45頃に起きたものだから
逆に私がぶっくりしてしまいました。
これなら、今日は時間に余裕をもって過ごせる。
そう思った私が甘かった。
なんだかんだと、ふと気が付くと、時計は6:20
あれ?
そう言えば、まだお顔を洗っていないような気が…。
嫌な予感と共に、さっちゃんのお部屋を覗くと
まだパジャマ姿で、呑気におもちゃを片付けているさっちゃんの姿が…。
「ちょっと!なにしてるの!」
私の声に、なにか?と言わんばかりのとぼけた表情のさっちゃん。
しくじった。
さっちゃんが起きたから、声を掛けるのを怠ってしまった。
さっちゃんにしてみたら、私のいつもの怒号が飛ばないものだから
すっかり呑気モードになってしまったに違いない。
時間は既に6:20過ぎ、
間もなく私が出勤する時間です。
長々と怒っている暇が無い。
よし。
「わかりました」
私は、さっちゃんに言いました。
「さっちゃんが、もたもたしてきちんと動いてくれないのなら
お母さんは、さっちゃんを無視することにします」
えっ?と言う顔で、私を見上げるさっちゃん。
私は、そのまま無言でさっちゃんのお部屋を出ると
自分の出掛ける準備に取り掛かりました。
すると、その後のさっちゃんの動きの早いこと早いこと。
なんだ、早く動けるじゃないか。
思わず、口元がにやりと緩んでしまいそうになるのを堪え
私は頑張って知らん顔を作ります。
やがて、大急ぎで着替えを済ませたさっちゃんが私の前に現れ
口を尖らせて、「ちゅー」と、顔を寄せてきました。
「知りません」
私はそっぽを向きました。
「起きないし、もたもたしてお着替えは遅いし
そんな子と、ちゅーなんかできません」
「やー!ちゅぅぅ~!」
さっちゃんも必死です。
私の両腕を掴んで、自分の胴に巻き
一生懸命ちゅーをしようとします。
「お母さんは、忙しいんです
もたもたしている人とちゅーする時間なんかありません」
「ちゅー!」
さっちゃんは、今度は両手で私の両頬をはさむと
強引に顔を寄せてきました。
無理に顔をそむけ様とすると、「ひょっとこ」のように顔が歪みます。
「ちゅーなんかしません」
怒るひょっとこにちゅーをせがむさっちゃん。
ふと気付くと、旦那さまがニヤニヤ笑いながら、私たちの様子を見ています。
「あんたたち、なにしてるの?」
ひょっとこは、笑い出したいのを必死に堪えながら答えました。
「いま、私の愛が試されているのです」
旦那さまは、くすっと、鼻先で笑いました。
ああ、もう6:35
早く出掛けなければ。
「お母さんは、もう出掛けます」
「ちゅー!」
敵は、一歩も引かずの構えです。
このままでは、さっちゃんを引きずったまま出勤しなければなりません。
くそー。
仕方がない。
私は、ひょっとこ顔を、さっちゃんのお顔にくっつけました。
ぶっちゅー。
さっちゃんが、にっこりと笑いました。
満足げな、いい笑顔でした。
最初は、いい感じで優勢だったんだけどなー。
あのちゅーがいけない、あのちゅーが。
結局、今日も私の負けです。