糸 林民夫 ***
中島みゆきの「糸」物語の小説化。菅田将暉と小松菜奈主演で映画化されたので見た方もいるかも知れない。平成元年富良野生まれの高橋漣は、12歳の時に隣町の美瑛で開かれた花火大会に友人の竹...
駅に泊まろう! 豊田巧 ***
JR函館本線の長万部から小樽の間に比羅夫という駅がある。その比羅夫駅の上、ホームに建てられた山小屋風ロッジを舞台にしたほのぼの物語。作者は旅行好きで鉄分が多いようだ。主人公の桜岡美...
深層日本論 工藤隆 *****
古事記、日本書紀、風土記、万葉集という古代書物から日本文化の根底にあるアニミズム系文化を掘り起こし、西欧的文化やイスラム的文化との比較から日本が現在果たすべき役割にまで解き進めた筆...
歴史人口学事始め 速水融 ***
100年から1000年の歴史的単位で人口はどのように変動してきたのか、これを学問として確立したのが2019年12月に逝去された速水融である。本書は自叙伝。日本では江戸時代にキリスト...
人が集まる街、逃げる街 牧野知弘 ***
コロナ禍が長期化し、労働と通勤に関する考え方に変化が生じている。日本における太平洋戦争後の都市への人口集中は仕事を得るための地方から都市への人口移動が原因だった。リモートワークがき...
公家たちの幕末維新 刑部芳則 ***
幕末から維新の時代に、徳川将軍家から天皇家への権力移転は、維新の志士たちの活躍で実現した、という歴史を学んできたように思えるが、京都の公家たちの動きも激しかった。特にペリー来航から...
われら軍人の子 石光勝 ***
筆者は文化放送、東京12チャンネル(テレビ東京)を経て、現在はテレビ東京ダイレクトの社長を務める。テレビ東京草創期に番組作りや編成に携わった。父親が太平洋戦争期に職業軍人で経理大佐...
卑弥呼以前の倭国五〇〇年 大平裕 ****
中国大陸、遼寧、吉林省、朝鮮半島での遺跡発掘で、新たに銅鐸、明刀銭(燕の通貨)、多鈕鏡(複数の紐を通す穴がある鏡)などの出土品があり、「山海経」などの古代文献を通して、日本列島にお...
銀座、祝祭と騒乱 銀座通りの近代史 野口孝一 ***
江戸時代、江戸の町は何度も大火災にあった。今では東京の代表的なメインストリート銀座通りも例外ではなかったが、江戸時代の銀座通りは場末の通りだった。そこに並んでいたのは、表通りが質屋...
墓が語る江戸の真実 岡崎守恭 ***
お墓の並び方から、そこに葬られた人たちの関係性を語るのが本書。筆者は日経新聞社で政治部長や大阪支社編集局長を務めた歴史エッセイスト。薩摩島津家墓所には28代斉彬とその正室とともに、...