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「他者を想え」

2025年01月19日 15時46分12秒 | 一言

 喜びに沸く姿があの時と重なりました。国連総会でパレスチナが「国家」として認められた2012年11月。国際社会はパレスチナの独立とイスラエルとの共存を求めていることを示しました。

 その時もガザは直前までイスラエルの大規模な空爆にさらされていました。多くの命が奪われ、がれきと化した建物の前で途方に暮れる人びと。国連決議は武力の応酬には未来がないのだと。

 15カ月にわたる惨状の末、ガザ地区を実効支配するハマスとイスラエルが停戦に合意しました。イスラエル政府は19日から開始されると発表。今後は3段階からなる合意の着実な実行とともに、地獄のような日々をすごしてきたガザ住民への人道支援が急がれます。

 4万6千人以上が犠牲となり、人口の大半にあたる200万人が家を追われ、水も食料も燃料も医薬品も、すべてが著しく足りない状況。イスラエルによる国連機関の支援活動の妨害をやめさせることも。

 パレスチナ人の声と称された詩人、故マフムード・ダルウィーシュに「他者を想え」という作品があります。「あなたが戦争に着手するとき/あなた以外の者を想いなさい/(平和を追い求める者達を忘れてはならない)」。

 歓喜の一方で恐怖や不安も。ふたたびガザを絶望の淵に追いやらないため、国際社会は戦争終結に力を尽くさなければ。先の詩はこう締めくくられています。「あなたが遠くの誰かを想うとき/自分自身を想いなさい/(言え、私が闇の中の一つの灯火であったなら、と)」


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