東大の学費値上げ反対

学生ら署名２万７５００人分提出


（写真）２万７５００人分以上の学費値上げ反対署名を提出する学費値上げ反対緊急アクションの金澤伶さん（左から２人目）ら＝１７日、東京都文京区の東京大学で（同団体提供）

　東京大学（東京都文京区）が今月、来年度入学から授業料を約１０万円値上げし、年６４万２９６０円とする案を公表したことをうけ、同大学生有志による「東大学費値上げ反対緊急アクション」は１７日、学費値上げに反対する署名２万７５００人分を同大の相原博昭理事・副学長に提出しました。

　同アクションは、同大が授業料引き上げの改定案を公表したことについて声明を発表しています（１１日）。声明では、問題に関心をもつ学生の大半が反対の意思を示し、構成員間で十分な議論がない状況にもかかわらず、同大学が値上げ案を公表し、拙速に決定しようとしていることに「強い懸念」を表明しています。学費値上げは、政府が運営費交付金など公的支出の削減によって引き起こしたと指摘。政策を改めるよう訴えています。

　署名提出後に会見した教養学部４年の金澤伶さん（２１）は、相原副学長との懇談で学費値上げの決定を延期するよう要望したとのべました。相原副学長からは“同日の教育研究協議会で学生から要望があったことを伝える”と回答があったものの、延期については明言がなかったと指摘。金澤さんは「学内外から多くの反対の声が上がっている。大学の執行部が全学的な対話に応じるよう求めたい」と語りました。

　学費値上げに反対する署名には、同大大学院の本田由紀教授など１００人超の大学教職員からの賛同コメントが寄せられています。