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温室効果ガス削減目標

2024年12月19日 17時58分51秒 | 一言

経団連提言と政府案は酷似

審議前から結論ありき?

 2035年に向けた政府の温室効果ガス削減目標案が、日本経団連の提言とそっくりの内容であることがわかりました。世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)が「パリ協定の1・5度目標に整合する水準を大きく下回る案の提示に抗議する」とした声明で指摘しています。

 13年比60%削減とする政府案は、11月25日に行われた環境省と経済産業省の両小委員会の合同会合で示されました。3時間にわたる会議の終了30分前に、担当者が委員に案を配布。13年から50年まで、毎年同じペースで排出量を減らす「直線」経路で、50年に排出ゼロとするものです。

実効性に疑問

 この政府案の目標について、複数の委員が「具体的対策をどう実現するのか」「数字の意味の議論がとても雑」と述べ、実効性に疑問を示しました。

 別の複数の議員からは「先進国として野心的な目標を掲げてもよいのではないか」「1・5度整合を目指し、精いっぱいの政策を立てることが必要だ」など、目標の低さそのものを指摘する意見も出ました。

 政府案の直線的削減計画を見ると、50年に排出ゼロとなっているため、世界の目標に整合しているように見えます。しかし二酸化炭素は分解されるまで大気中に長くとどまるため、いったん排出すればしばらく温暖化を促進することになります。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は35年までに19年比で60%削減しなければ大気中の二酸化炭素が1・5度以内の気温上昇に抑えるための許容量(炭素予算=カーボンバジェット)を超えてしまうと報告しています。

「非常に遺憾」

 IPCCの削減目標を13年比で計算すると、35年は66%です。WWFジャパンは11月29日の抗議声明の中で、地球環境戦略研究機関が76%、クライメート・インテグレートが70%の目標を提言しているにもかかわらず、政府は60%とした経団連の提言を踏襲していると指摘。「政府案の図は、経団連事務局作成の図と酷似している。一部の産業団体への過度な配慮で不十分な削減目標しか掲げられないというならば、非常に遺憾」と批判しています。

 政府審議会の議論の進め方にも批判が上がっています。合同会合の池田将太委員は「この会議でどのように審議結果を取りまとめるのか、事務局からの説明はなかった」といいます。岩船由美子委員も「何人かの委員から同様の意見があったが、回答がない」と発言しています。同じ会合で政府の削減案に疑問や異論が出されたのち、政府の担当者は「議論いただいた通り、(政府案の)直線経路を軸に(政府内)事務局で検討を深掘りする」と述べ、会合が終了しました。

 WWFは「広く国民から意見を募集し、審議会で改めて議論した09年の意思決定プロセスよりも後退している」と指摘。若者らは結論ありきで議論を進めることに抗議するインターネット署名を募集しています。

 (小梶花恵)

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