と言う事で前々回、社会保障の財源としての消費税について述べましたが、その中のAさんについて言うなら、消費税は収入に対して2.88%になると言いましたが、(又Cさんで言うなら所得税も住民税も掛からないのに消費税は実に収入に対して4.68%も掛かっています)
またここで高額所得(年収6千万円)のDさんを考えるなら、上記Aさんの税率である2.88%を考えるなら1728000円の消費税はになってしまいその消費は36288000円になりますが、こういうことは考えられないとと思われますが、仮に10000000円の消費とするなら消費税476190円であり当初の収入からするなら0.79%であります。
税制の歴史を紐解くと解るように税は時の為政者の収入源としてあらゆる方法が”工夫”されているのがわかりますし、又それが過酷であった場合、住民の激しい抵抗にも遭っています。日本の歴史においてもそうですが、”金庫税”とか”扇風機税”などといったものが戦前にはありました。
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しかしここで現代の税制を若干考えると税法の体系としては種々ありますがそれの納付、徴収に関しては”国税徴収法”と言うものがあり、これは国税だけでなく一般的には地方税にも準用されます。
そこでこの国税徴収法の解説書を読むと解りますがまず一般的に納付されず財産があるものについては”差押”等の対象になりますが、しかしここで無財産、ないしそれに近いような場合、執行の停止と言う事になるとされます。(国税徴収法第153条 地方税法第15条の7)
ここでこの2号に着目したいと思いますが、
2号は文字通り生活困窮と言う事で国税通達によれば”滞納者が生活保護法の適用をうけなければ生活を維持できない程度の状態”ということであります。
又ここで条文条は”停止に出来る”となっていますが、これは行政法上の解釈からするならこの処分は”行政行為”にあたりその行為の中で優劣をつけることは行政法上、”不当”とされると思われ、従ってこのような生活水準であれば執行停止処分に”しなければならない”と読み替えなければならないと思われます。(行政法講義:杉村敏正P192 )但し悪意のある未納者には適用にならないと思われますが。
やや議論が細部に渡りましたが要は国税徴収法は結論的には、未納になった場合でも最終的にはその対象者の”支払能力”により処分を決めており、財政学上では応能主義、応益主義とか解説されていますが、実際の税の取り扱いとしては”支払えないあるいは徴収出来ない税”は税ではないとしていると言う事になります(この部分税実務のある某X氏にも聞きましたが)
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これは上記要約するなら未納となった場合、まじめに生活している人の最低生活費については徴収しないあるいはもっと言えば”徴収出来ない”と言う事を税法体系が述べていると言う事(この部分上記Xさんに確認しましたが:ただこれは別に公的秘密でもなんでもないと投稿者は思いますが)を宣言したものと解釈すべきと言う事と判断寸べきと思われます。(ご自身の税に付いての具体的例については担当税務当局でご相談ください)
つまりはここで前々回の上記内容から言うなら、やはり近代的税制と言うのは法治主義によるべきものであり、そのように考えるなら上記徴収法の趣旨からいっても”所得に課税するのが法体系上も又社会政策上も優れていると考えるべきと言えるのではないでしょうか。つまるところ徴収法と並ぶ国税通則法には他にも徴収猶予等の制度(通則法46条以下)もあり、そういう意味では”応能原則”に立っているというべきでしょうか。
これは上記Cさんの場合を考えればすぐ分かると思いますが、消費税は消費を課税対象にしていると言う事から上記執行停止対象となるような場合でもそれを反故にしてしまう反近代的税ともいえると思います。