マクロ経済そして自然環境

経済的諸問題及び自然環境問題に感想、意見を書く事です。基本はどうしたら住みやすくなるかです。皆さんのご意見歓迎です。

時代錯誤的2重課税としての消費税。

2012-08-12 15:13:16 | 税、財政

ネット上、某I氏が法人税は”間違った税であるから”理想を言えば0にするのがよいと仰っておられた。つまり

 

①法人と言う人はいないので最終的には個人が負担する。

②法人税は企業の利益に課税し、そこから支払われる配当にも課税される2重課税である。

 

というのがその主張でありますが、①について言うなら、法人と言う人はいないので最終的には個人が負担すると言っても、周知のように法人の利益は全てが配当等でその株主等に分配されるわけでは無く、内部留保等の形で法人内部に継続的に蓄積、留保されたり、又近年では株主は自然人に限らず法人それ自体が株主等になっているのも多いわけで従ってその法人の利益が全部外部に流出する訳ではなく、従ってその法人そのものに課税するのは適切と言わねばならない。

また②の法人の利益に課税された後そこから支払われる配当にも課税されるという事であるもまずそれは一般的に言うなら何らか収入があり、其の後にその収入等が他へ移転した場合、其の移転にも課税されるのは一般的にあることであり、例えば贈与税等でもそうであるが一旦収入として稼いだ物をそれを第三者に譲り渡すとそれが課税になる。また多くの間接税もそうである。因みに現在の法人税基本税率は(24年から)25.5%であり所得税の40%と較べてかなり低い、又配当の課税は一定の場合、10%しか掛かっていない。この配当に関する税率も欧州からとか較べるとかなり低い。http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/financial_securities/risi03.htm

(財務省:配当所得税率一覧)

 

 

そこから論を進めでは何に課税すべきかと問い消費税は20%位ぐらいまではあげてよいといっておられるが之はまたかなり論がご都合主義と言うべきであり、

何故かと言うと消費税はまず直接の納税義務者は(個人、法人)業者であるが、これはまずその売上に対し5%(現在)掛かっており、そこから収支計算し出た利益に対し個人なら所得税、法人なら法人税を支払う。また消費者はどうかと言えば自分の収入から(其の収入には所得税が既に掛かっている)消費税を支払うわけわけであり、これら二要素を考えるなら消費税こそ全く究極的2重課税と言うべきであるのではないでしょうか。

 

因みにご承知とは思いますがアダム・スミスが租税につき何と言っているか述べてみましょう。租税には4つの一般原則があるとして(国富論:大内、松川訳第4分冊p240~)

1、公平である事 これにつきスミスは”あらゆる国家の臣民は各人の能力にできるだけ比例して政府を維持するために貢納すべきものである”としています。 (ここからするなら消費税は所得逆進的であり全く之に反する)

2、確実である事 ”恣意的であってはならない”貢納者にも他のあらゆる人にも明白で平易な物でなければならない、さもない場合には租税を課せられるあらゆる人は多かれ少なかれ徴税人の思いのままになる、

3、支払に便宜のあること  

4、徴税費が安く済むこと

 

としつつ”消費税”については(イギリスでは内国消費税は17世紀中ごろ戦費調達の必要性から導入された)”どのような人頭税を課してみても、人民の収入に比例して課税する事は不可能なので消費品に対する租税と言う物が発明されたように思われる。国家は、その臣民の収入に直接且つ比例的に課税するにはどうすればよいかが解らないので、人民の支出に、つまりたいていの場合、その収入にほぼ比例するものと想定される其の支出に課税し・・として

 要するに当時には課税所得の把握が困難であるためにその代替手段として消費税をつくった としておる物であり、特に税徴収機構が発展した現代において一般消費税に主要税目として頼る事はこれからするなら、時代錯誤としか言いようが無いという事でありましょうか。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 見やすくなってきた構図の中... | トップ | ”カット路線”では不況は克服... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

税、財政」カテゴリの最新記事