相続人の確定はなぜ必要なのかと、そもそも、相続の前提として聞かれることがあります。
相続人は、通常、配偶者、子、親、兄弟姉妹なので、昔一緒に暮らしていたことなどもあり、通常は、誰が相続人となるのか、関係者は、把握しているはずです。
しかし、幼少のころ別れたり、すでに亡くなっている身内がいたり、あるいは、再婚事例などは、家族が知らない子や法定相続人がいたりすることも珍しくなく、相続開始後に、実は、他にも法定相続人が判明するということもあったります。それぞれの家庭事情は千差万別です。
他方、遺産を分けるには、遺産分割協議をしますが、一部の相続人でなした「遺産分割協議」は無効となります。
そのため、相続が発生した場合、まずは戸籍を確認して「誰が相続人なのか」、を確定させることになります。
相続人の確定は、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍を取り寄せて、子や配偶者等の有無、養子縁組の有無などを確認することになります。
「出生」に遡るのは、「子」の有無の確認のためです。一連の戸籍・除籍・改製原戸籍謄本を取り寄せることになります。
「戸籍」は、役所(市役所、区役所、町役場)から取り寄せます。
おおよその費用ですが、「戸籍」1通あたり450円、「除籍謄本」や「改製原戸籍謄本」は1通あたり750円です。
被相続人が、本籍地を移動していると、本籍地ごとに取り寄せることになりますし、診身分関係の変動があれば、戸籍筆頭者ごとに取り寄せることになります。
被相続人の子が二人ぐらいいるケースで、本籍地の移動が2から3回あって、子も結婚などして、身分関係の変動等があると、3000円から5000円ぐらいはかかることもあります。
多いケースでは、1万円から2万円かかるし、特に、兄弟姉妹が法定相続人のケースなどは、それだけ多くの関係者が出てくるので、3万から5万円もかかってしまうこともあります。
戸籍の収集については、個人情報という側面もあるので、弁護士等に依頼して、取り寄せることもよくあります。
弁護士等は、職務請求書という書式を用いて、戸籍等を取り寄せることになります。
通常は、戸籍等の調査終了後、「相続関係説明図」という、相続人の全体の関係がわかる図を作成することになります。
なお、2017年5月29日からり「法定相続情報証明制度」が始まり、上記戸籍の収集を何度もしなくて済むようになりました。
戸籍等は、相続の場合、何かと必要になります。なので、1通ずつだけ取り寄せるのでは足りないときもあります(もちろん、都度原本を還付してもらうことで、使いまわしはできますが、原本の提出を求められる手続があり、戻ってこないようなケースもあるうるので、複数通ずつ取り寄せることもあります。)。
法務省の法定相続情報証明制度のページを見てみましょう。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00284.html
法定相続情報証明制度の手続きの流れ
http://www.moj.go.jp/content/001225651.pdf
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