2022年8月26日、日本で公開が始まった、『NOPE ノープ』。
これまた、変わった作品だった。
ジョーダン・ピール監督、2022年、アメリカ。131分。原題は『Nope』。(無理、とかヤバイとかイヤだの意)撮影監督は、ホイテ・ヴァン・ホイテマ(TENET、ダンケルク等)。
ストレートに観ることも出来るけど、この作品のウィットとメッセージとセンスの在り方を、ほんのちょっとでも前情報で入れておくと、何かの足しにでもなるかもしれない。ということで、行こうか止めようか、お悩み中の方向けに傾向と対策を上げてみる。なんてったって、少しでも感想を言うとネタバレになってしまいそうな、この作品。
公開中なのでネタバレなしで!
(念の為ですが全て個人の主観です。)
<傾向>
ホラー度28%、ミステリー度10%、スリラー度5%、サスペンス度5%、SF度40%、ヒューマン度10%、コメディ度3%、西部劇度5%
色々混ざっている。
「空に何かがいる」「見てはいけない」というのがホラー度とミステリー度、そしてSF度。
サスペンス度は、主人公達がそこにどう対処していくのか。
スリラー度は、登場人物の心の部分。
ヒューマン度は、家族愛と人種問題、映画史的な何か、映画愛の部分。
最後のコメディー度は、まずは、ホラーというのは大抵どこか笑っちゃうところがある、というお約束通りで絵的に可笑しい。あと微妙な間やストーリーの飛び具合とか。監督がコメディアンでもあることも関係しているかもしれない。とは言え、たったの3%。
あらすじは基本的にネタバレになってしまうので控えます。敢えて言うなら、「過去と未来と現在の局地的邂逅」と言ったところ。いや全然分かんない言い方をお許しください。
<より楽しむための、対策>
1)事前に監督のジョーダン・ピールのことを検索してみる。
2)出来れば、ジョーダン・ピール監督の第一作目、『ゲット・アウト』(2017年/原題:Get Out)を観ておく。
3)出来れば、IMAXの大画面で観る。無理そうなら、出来るだけ音響の良さそうなスクリーンで観ること。
4)上映終了後、誰かと語り合いたい、もしくは疑問がフツフツと沸いている、何か怖い(笑)という場合は、家に帰ってYouTubeで「ノープ」と検索してみること。そこで仲間を発見すること。
ちなみに、3)で大画面をおススメしているにも関わらず、自身は普通の小さめスクリーンで鑑賞した。(←ホラーは出来るならスマホくらいの画面で見たいタイプ)
でもこの作品はIMAXカメラで撮られていること、またアメリカの広大な大地や空を映すシーンが多いので、大画面の迫力は捨てがたい。次見る時は、IMAXかな。もうストーリーは知ってるから安心だ!
音響も結構重要。
そして第一作目の『ゲット・アウト』。今作主演のダニエル・カルーヤが、こちらでも主演。
『ゲット・アウト』は低予算映画ながら評判となり、第90回アカデミー賞脚本賞を受賞(ジョーダン・ピール)。作品賞、監督賞にもノミネートされ、ダニエル・カルーヤは、アカデミー賞とゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートされた。(その後他の作品でアカデミー賞助演男優賞を受賞。)
人種差別問題のメッセージ性は、こちらの方が強め。ピール監督のインテリ色は好みが分かれるところかもしれないが、ストーリー的にはこちらの方が分かりやすく、ピール監督への愛が沸きやすいかも?
今作は結構ぶっ飛んでいて、いいですね。
では皆さま、グッドラック!
主たる登場人物達↓視線の先には何が…!?
IMAXで観たい場面も沢山あった↓何このニョロニョロと、影。