DVDで観た。クリント・イーストウッド監督、2006年、アメリカ。
同じく2006年に公開された、『硫黄島からの手紙』と合わせて2部作。こちらをちょっと前に、先に観た。第二次世界大戦の硫黄島での戦いが、日米双方の視点で描かれている。
硫黄島戦は総力戦で行われ、1945年2月18日、米軍の上陸作戦から始まった。36日間。米軍約33000人(うち死者約6800人、負傷者約26000人)、日本軍約22000人(うち死者約21000人、ほぼ全滅)。
両方とも原作があるけど、クリント・イーストウッドのストーリーは、日本側が硫黄島の名のない兵士を主人公にして、戦争を一人一人の人間に収れんさせたのに対して、こちらの『父親たちの星条旗』は、でっち上げられた3人の「英雄」をメインに、一人一人の人間から、いかにして固有のものが奪われ、手にしているものが拡散して行くか、それを描いているように思えた。
戦闘の最中と、アメリカ本土でのキャンペーン、そして現在の三地点が、交互に映される。
劇的なというよりも、静かな連続性がドラマに深い抑揚を与えて、やっぱり、エンドロールには見入ってしまう。
クリント・イーストウッド監督の映画の後味は、複雑すぎて透明になった色を見ているみたいだ。「そうではない。」とたった今まで散々見せられていたはずなのに、この瞬間が、永遠に続けば良いのに、と思ってしまうような、続くことをあやうく信じてしまうような、そんな終わり方だと思う。
同じく2006年に公開された、『硫黄島からの手紙』と合わせて2部作。こちらをちょっと前に、先に観た。第二次世界大戦の硫黄島での戦いが、日米双方の視点で描かれている。
硫黄島戦は総力戦で行われ、1945年2月18日、米軍の上陸作戦から始まった。36日間。米軍約33000人(うち死者約6800人、負傷者約26000人)、日本軍約22000人(うち死者約21000人、ほぼ全滅)。
両方とも原作があるけど、クリント・イーストウッドのストーリーは、日本側が硫黄島の名のない兵士を主人公にして、戦争を一人一人の人間に収れんさせたのに対して、こちらの『父親たちの星条旗』は、でっち上げられた3人の「英雄」をメインに、一人一人の人間から、いかにして固有のものが奪われ、手にしているものが拡散して行くか、それを描いているように思えた。
戦闘の最中と、アメリカ本土でのキャンペーン、そして現在の三地点が、交互に映される。
劇的なというよりも、静かな連続性がドラマに深い抑揚を与えて、やっぱり、エンドロールには見入ってしまう。
クリント・イーストウッド監督の映画の後味は、複雑すぎて透明になった色を見ているみたいだ。「そうではない。」とたった今まで散々見せられていたはずなのに、この瞬間が、永遠に続けば良いのに、と思ってしまうような、続くことをあやうく信じてしまうような、そんな終わり方だと思う。