tokyoonsen(件の映画と日々のこと)

主に映画鑑賞の記録を書いています。

夏の終わり、と『溺れるナイフ』

2021-09-06 23:05:32 | 映画-あ行




 8月31日で夏は終わる。

 なんて思い込みをいつから自分が持ってるのか分からないけど、今年は確かに8月31日に夏が終わった感じがして、ビックリ。こんなことある?

 9月6日の今日が、10月中旬から下旬の気温とは。9月はどこ行った?

 ラジオから流れる「セプテンバー」 (Earth, Wind & Fire) の歌詞が気になって検索したら、実は舞台は12月。9月のことを思い出してる歌詞だと知ってまたビックリ。視聴時の体感は12月ということでお願いします。
 いえ大丈夫です。
 
 ところで昨夜、「溺れるナイフ」をdTVで観た。

 山戸結希監督、2016年、日本。111分。
 小松菜奈/菅田将暉主演。重岡大毅、上白石萌音。原作はジョージ朝倉、同タイトルコミック。

 原作を読んでいないのでアレですが、Wikipediaを見たところでは、結構設定が異なるようだ。全17巻の漫画を約2時間の映画にするんだから、違って当たり前ではある。


 映画版では、主人公の15歳夏(中学3年)から16歳夏までのストーリーということ。

 登場人物が全く15歳に見えなくて戸惑った。とは言え、とにかく主演の二人が美しかったので個人的には問題なし。
 
 少年少女の全能感溢れる世界が崩れ去ってから、再び、それぞれ個別の世界を見いだして行く物語と受け取った。
 後半はかなり感覚的な感じだった。
 自分は結構好きな描写で、勝手に「パラレルワールド」と解釈して楽しんで観た。
 カオスなんてカオスにしか描きようがないよね。ちょっと間延びしたようにも感じたけど、コウ(菅田将暉)の世界を表すのには、あれくらい必要だったのかもしれないな。逆に夏芽(小松菜奈)の世界は分かりやすくて有り難かった。

 夏の夜の夢。

 この山も、海も、空も、全部コウちゃんのもの。わたしも、コウちゃんのもの。
 少年、少女時代の終わりと夏の終わりはちょっと似ている。
 
 ただ有難いことに、夏の終わりは何回も繰り返しやって来る。

 一人一人の世界は、全部一人一人のものでいいよね。心象風景だから。
 その場所で、深呼吸をして、思い切り笑おう。

 そういうハッピーエンドだと解釈して、夏に有難う、さようなら、またねと遠くから会釈する。

 

↓別バージョンの美しくも儚い二人がこちら。