アンドリュー・ヘイ監督、イギリス、2017年。原題は『Lean on Pete』。
dTVで観た。
原題の「リーン・オン・ピート」というのは競走馬の名前で、主人公の15歳の少年(青年?)の旅のきっかけでもあり、道連れでもある。
アメリカの広大な土地が舞台のロードムービー、社会問題が要素としてあり、劇中BGMがほとんど使われていないところ。最近観た『ノマドランド』と作りがちょっと似ていた。「無口な映画」と勝手に部門分けしている、その部門に入るかな。
それなりにアクの強い登場人物たちの中で(スティーブ・ブシェミが何ともワイルド!)、チャーリー・プラマー演じる主人公の素直さと透明感が際立っていた。
彼の現実感を支えるのが、マージー伯母さんの記憶である。
行き当たりばったりで当然厳しい逃避行ではあるんだけど、イヤな気持ちにはならなかった。観客として彼の犯罪を裁く気にはなれない。
ちなみにチャーリー・プラマー氏は第74回ベネチア国際映画祭新人俳優賞を受賞したそう。
これ以上書くとネタバレになってしまいそうなのでやめておこ。
Wikipediaによればチャーリーの目指すワイオミング州は、「アルゴンキン語族インディアンの言葉で`大平原’」を意味するそうだ。ワイオミングに着くまでも相当だだっ広い荒野だったけど、アメリカって何て広くて平らなところなんだろう!(平らではないか…。)
その広大さだけで、もう何をか語ることが出来るような景色に、少年と馬。