『博士と彼女のセオリー』、ジェームズ・マーシュ監督、2014年、イギリス、124分。原題は、『The Theory of Everything』。
天才理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士と、最初の妻ジェーンのストーリー。
原作はジェーンによる手記、『Travelling to Infinity: My Life with Stephen』とのこと。
言わずと知れた、「車椅子の物理学者」、ホーキング博士。
21歳の時にALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、余命2年と言われながら、76歳で亡くなるまで研究を続けた(1942-2018)。
映画では二人の出会いから、発症、結婚、ホーキング博士の成功、そして家庭生活、ジェーンによる介護と子育てが描かれる。
「時間の始まりを、シンプルでエレガントな一つの方程式で表したい」。
宇宙が、ブラックホールが、どんな形状でどんな性質を持っていて、どんな仕組みで動いているのか。宇宙において、時間とは何なのか。
方程式の解き方もほぼ忘れてしまった自分だけど、やっぱり宇宙にはワクワクする。
世界の解釈は人それぞれで、隣の人が自分と同じ世界を共有しているかと言うと、それは怪しい。唯一共有しているのは、まだ見ぬもの、知られざるものへの探求心と解釈への想像力なのかもしれないなと思った。
1991年、ジェーンと博士は離婚する。
その後お互い再婚もしたけれど(博士は再び離婚)、博士が亡くなるまで、良い関係を続けていたという。それが信じられるのが、この作品の良いところ。
「無限大の全てなるもの」。この映画のように、全てのラブロマンスがそこに集約されたら幸せですね。
ちなみにこの映画は脚本の完成に10年掛かったそう。しかし公開は博士の存命中。博士のコメントも聞きたかった!
第87回アカデミー賞主演男優賞、第72回ゴールデングローブ賞最優秀主演男優賞(ドラマ部門)、最優秀作曲賞受賞。
(アカデミー賞では、作品賞・主演女優賞・作曲賞にもノミネート。ゴールデングローブ賞では、最優秀作品賞・最優秀主演女優賞にノミネート。)
主演のエディ・レッドメイン。↓ 筋肉の動かし方を研究し、また相当な練習を積んだとのこと。時期によって変わる筋肉の動きを見せる秀逸の演技。