死刑廃止による新たな量刑制度が始まった。それは遺族がその量刑を決めるというもの。最初に適用された囚人は、少女をレイプして殺害したウィリー・ビンガム。
このホラー的短編映画の主役は、被害者の遺族である父かもしれない。
彼に共感するのか、責めるのか。それでいいと肩を抱くのか、もうやめてくれと願うのか。
ここでは、重犯罪者の気持ちは正直言ってどうでも良い。
結論は出ず、私はただ見守るだけ。憎しみをいつかは手放したいと思うなら、私なら死刑の方が良いとも思った。それでも当事者になってみないと分からない。私はもっと冷酷で残酷で、憎しみに燃えているかもしれない。
考えさせられ、結論の出ないこと。ただやっぱり、これはない。どこか酷薄な安易さを感じるから。
マシュー・リチャーズ監督、2015年、12分、オーストラリア。
原題は、『The Disappearance of Willie Bingham』(ウィリー・ビンガムの消滅)。
12分49秒の問題作(YouTube)↓
An inmate is selected to undergo a gruesome new punishment. | The Disappearance of Willie Bingham
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