tokyoonsen(件の映画と日々のこと)

主に映画鑑賞の記録を書いています。

『テッド』

2013-06-12 20:46:47 | 映画-た行
 火曜日が映画サービス・デイなのもあってか、終わってから振り返ると、高校生男子の集団が見に来ていた。制服を(映画館で)見慣れないので、ちょっとびっくりした。さすがはお下劣クマ。人気なんだなあ。面白かったのかしら。

 それにしても、クマの動きが自然だったなあ。全然CGに見えない。糸でつってるようにも見えないけど。自分が昔から持ってるぬいぐるみの地に似ている。と、観た人は思ってると思う。

 お下劣ネタがお下劣過ぎて、笑えた。クマだし。
 『フラッシュ・ゴードン』が何たるか知らないし、知りたいとも特に思わないけど、ストーリーはわりと巧妙に出来てる映画なんじゃないか。主人公とテディの殴り合いの真剣さには引き込まれた。
 危うく流れ星に祈りそうになる。

 「クマを喋れるようにしてください」じゃないことだけど。

 セス・マクファーレン監督、2012年、アメリカ。面白かった。次回作が決まっているらしい。すごい人気ですね。また観に行こっと。

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『父親たちの星条旗』

2013-05-30 12:53:05 | 映画-た行
 DVDで観た。クリント・イーストウッド監督、2006年、アメリカ。

 同じく2006年に公開された、『硫黄島からの手紙』と合わせて2部作。こちらをちょっと前に、先に観た。第二次世界大戦の硫黄島での戦いが、日米双方の視点で描かれている。

 硫黄島戦は総力戦で行われ、1945年2月18日、米軍の上陸作戦から始まった。36日間。米軍約33000人(うち死者約6800人、負傷者約26000人)、日本軍約22000人(うち死者約21000人、ほぼ全滅)。

 両方とも原作があるけど、クリント・イーストウッドのストーリーは、日本側が硫黄島の名のない兵士を主人公にして、戦争を一人一人の人間に収れんさせたのに対して、こちらの『父親たちの星条旗』は、でっち上げられた3人の「英雄」をメインに、一人一人の人間から、いかにして固有のものが奪われ、手にしているものが拡散して行くか、それを描いているように思えた。

 戦闘の最中と、アメリカ本土でのキャンペーン、そして現在の三地点が、交互に映される。

 劇的なというよりも、静かな連続性がドラマに深い抑揚を与えて、やっぱり、エンドロールには見入ってしまう。

 クリント・イーストウッド監督の映画の後味は、複雑すぎて透明になった色を見ているみたいだ。「そうではない。」とたった今まで散々見せられていたはずなのに、この瞬間が、永遠に続けば良いのに、と思ってしまうような、続くことをあやうく信じてしまうような、そんな終わり方だと思う。


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『宝島』(1950年)

2013-04-22 21:15:19 | 映画-た行

 先日、本屋の軒先のワゴン・セールに通りかかり、購入したDVD4本のうちの1本。バイロン・ハスキン監督、1950年、アメリカ。

 ロバート・ルイス・スチーブンソン作、『宝島』。子供の頃、読んだような、読まないような。
 でも知っているのである。
 いや知らないのである。

 「宝島」という島のことを誰が言いだしたのか。どうやらスチーブンソンさんが言いだしたようだ。大海賊フリント船長の宝が埋まっている。
 宝島を巡るお話は、そこいら中を巻き込んで、プラマイゼロにして行く装置のようで楽しい。世の中にはたくさん、「宝島」と名付けられたところがあると思うけど(雑誌もあるし)、これもすべて、スチーブンソンさんのおかげである。ぱちぱち。

 たいてい現実的で合理的で残酷な海賊の親分も、「宝島」という島のおかげでちょっとかわいらしい。

 ディズニーの初の実写映画ということ。

 

 


『チャップリンのカルメン』(生演奏付)

2013-04-20 21:32:29 | 映画-た行
 「アルテリッカしんゆり2013 プレイベント 無声映画と音楽の午後」で、『チャップリンのカルメン』を観てきた。1915年の作品。

 昭和音楽大学の学生さんたちが音楽をつけている。大画面で、生演奏付きということで、楽しみにしていた。
 ただ今日は久しぶりの雨。しかも寒い。春が来たと言ってもまだまだ油断はならないと思ってはいたけど、やっぱり5月にならないと行ったり来たり?寒がりなので、家の冬物をかきあつめ、着こんで出掛けた。

 デジタルリマスター版ということで、とてもきれいだった。
 途中で色合いが変わる。黒白から青白へ。カルメン役のエドナ・パーヴィアンスは、現実でもチャップリンのパートナーで、奥さんとのこと。ラストがとてもよかった。顔を見合わせた二人の笑顔は、幸福そのもの。こんな瞬間が見られるなんて、思っていなかった。
 もともとは悲劇の『カルメン』を喜劇にパロった作品なので、何かのメッセージがあるわけではなく、すがすがしくて印象的。
 音楽もまた、盛り上げてくれた。にしても、どうやったら、あんな動きが出来るんだろう?