世界の中心アメリカ、ではなくて、世界の辺境アメリカ。そういう描き方だなあ。
どうして今、足元の辺りへ戻って行くのか、よく分からないけれどそういうもんなんだろうか。観た映画は、たいてい好きになってしまう。だから面白かったけれど、人様の国のことにそこまで共感、同一化できるかと言うと、そうでもない。この距離感は歴史の距離感、時間の距離感なんだろうか。単なる自分の無知からくるものかもしれないけれど。
政治サスペンスなのか?
ダニエル・デイ・ルイスの、登場のシーンにはどきどきした。背中から近づいてきて、中々顔が見えない。薄暗く、北軍の兵士たちがやっと、その人が偉大な大統領だということを説明してくれる。
片隅にいる人。終始そういうイメージの大統領は、初めてかもしれない。
片隅にいて、辺境にある。
シルクハットのおじさんはよく知らないけれど、この映画のそういう辺りに、大いに共感するのである。
スティーヴン・スピルバーグ監督、2012年、アメリカ。
どうして今、足元の辺りへ戻って行くのか、よく分からないけれどそういうもんなんだろうか。観た映画は、たいてい好きになってしまう。だから面白かったけれど、人様の国のことにそこまで共感、同一化できるかと言うと、そうでもない。この距離感は歴史の距離感、時間の距離感なんだろうか。単なる自分の無知からくるものかもしれないけれど。
政治サスペンスなのか?
ダニエル・デイ・ルイスの、登場のシーンにはどきどきした。背中から近づいてきて、中々顔が見えない。薄暗く、北軍の兵士たちがやっと、その人が偉大な大統領だということを説明してくれる。
片隅にいる人。終始そういうイメージの大統領は、初めてかもしれない。
片隅にいて、辺境にある。
シルクハットのおじさんはよく知らないけれど、この映画のそういう辺りに、大いに共感するのである。
スティーヴン・スピルバーグ監督、2012年、アメリカ。
「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティブ」という特集上映。最後の一本を観に行く。
「愛は流れるもの」、「止まることはない」、と言うサラの愛は、行く先を失う。馬やヤギ、鶏、犬を買い込むというような奇矯な行動を繰り返した後、夢と幻想に押し流されるようにして、弟の家を出て行く。
終盤、たびたび出てくる、サラの夢のシーン。一つの狂気ではあるけれど、だけど温かい。たぶん、誰にも分からないのだ。愛の流れの行く末なんて。分からないことを、分からないと描いて、何も悪いことはない。
この映画が、温かい思えるのは、ジーナ・ローランズ演ずるサラを肉親として描いているからだろう。ジョン・カサヴェテス、自らが演ずる弟も、奇矯と言えばかなり奇矯だけど、姉であり弟である二人の間の、感情の流れはおそらく絶えることはない。監督は、サラを単なる一人の女として描くにはしのびなかったんだろう。そう思うことにしよう。
もっと熱い想いを持って観終わったはずなのに、感想を書いてみたらどこか白けた感じになっちゃったし。
1987年、アメリカ。
「愛は流れるもの」、「止まることはない」、と言うサラの愛は、行く先を失う。馬やヤギ、鶏、犬を買い込むというような奇矯な行動を繰り返した後、夢と幻想に押し流されるようにして、弟の家を出て行く。
終盤、たびたび出てくる、サラの夢のシーン。一つの狂気ではあるけれど、だけど温かい。たぶん、誰にも分からないのだ。愛の流れの行く末なんて。分からないことを、分からないと描いて、何も悪いことはない。
この映画が、温かい思えるのは、ジーナ・ローランズ演ずるサラを肉親として描いているからだろう。ジョン・カサヴェテス、自らが演ずる弟も、奇矯と言えばかなり奇矯だけど、姉であり弟である二人の間の、感情の流れはおそらく絶えることはない。監督は、サラを単なる一人の女として描くにはしのびなかったんだろう。そう思うことにしよう。
もっと熱い想いを持って観終わったはずなのに、感想を書いてみたらどこか白けた感じになっちゃったし。
1987年、アメリカ。