授業なんて○○だ!変な教師の成功仕事術

学校の常識とは違う事いっぱいだけど、すべて筆者の成功体験からの仕事術ばかり。変な教師なので、信じなくていいですよ。

授業のスキル基本のキ其の九。すぐに答えを言わずに焦らす

2020-05-25 18:16:00 | 授業のスキル

コロナ禍で児童預かりをしています。授業はやってはいけないので、自習監督のように過ごしてます。


で、課題が終わった子には、脳トレと称して、難問プリントをやらせてます。


その際、ノーヒントでやらせます。

出来て持ってきた子には、正解か間違いかだけいいます。


ヒントや、ここまで合ってるとはいいません。


子ども達は悔しがって、何度も挑戦します。


難問プリント1枚だけで、子ども達は大盛り上がりです。


毎回、難問プリントをやりたがります。


この盛り上がりのポイントは、ヒントを言わない事。


何度か、他の先生が来て、ヒントを言ってしまう事がありました。

ヒントを言われた子は、すぐに正解して喜んだのですが、すぐに飽きて遊び始めました。


考える時間の方が、本当は知的で楽しいのです。


すぐに正解を言わないことは、普段の授業でも基本のキです。


子ども挙手し、ひとりが発言した後、すぐ正解を告げると、他の子が発言できなくなります。


なるほど、へえ、面白い考えだね、などと応えて、他の子を指名します。


挙手させたら、沢山の子に発言させます。


補助発問なら、数名でいいでしょう。そこで時間をかけるわけにはいきませんが、少しは焦らしましょう。


その時間の主発問なら、基本全員言わせます。


その後、答えを言わずに話し合わせます。


考える時間は発問の内容により15分、討論は510分ほどで充分。


答えを教師が言わないから盛り上がるんです。

発問内容や学習課題の内容にもよりますが、

話し合いで正解が出るもよし、でなければ教師が教えてもよし、または、お家で考えて来させてもよし。


これだけでも授業が知的になり、盛り上がります。


ただし、算数の問題解決学習のように、自力解決15分、比較検討20分とかは取りません。

こんなに時間をかけてしまうと、逆にやる気がなくなります。

一問だけで終わってしまう授業は、子どもに力をつけません。 


発問したら、すぐに答えを言わずに、何人か指名する。それだけでも取り入れてみてください。


付記

難問は、もう少しで解けそうだけど、解けないから考えます。算数の問題解決学習は、式と答えは分かっているのに、考え方を書けと言うやり方です。全く違います。


授業のスキル基本のキ其の七。授業の時間をいくつかの要素に分ける。

2020-05-21 17:02:27 | 授業のスキル
とある中学校の授業風景。国語。
古文についてただひたすら教師がしゃべっていました。
その間、約30分間、子供たちは聞いていたり、机に突っ伏していたり、ノートにいたずら書きをしてました。残り20分になって、「では今日のことをノートに書きなさい」とその先生は言って、ひたすら板書を始めました。
子供たちは、その黒板をひたすらノートに写したり、やらない子は机に潰したまま全くやらなかったり。そして50分の授業が終わりました。

30分話を聞き、20分板書をノートに写すだけ。

こんな授業、楽しいですか?
集中できると思いますか?
僕はなんてつまらない授業だろうと思いましたし、子供たちがよく耐えているなと思いました。

実はこの子たちは、僕が小学校の時に教えた子たちです。
手塩にかけて育てたその子たちに対して、こんなつまらない授業をする先生に怒りも覚えたし、こんな授業を受けなければいけない子供たちがとてもかわいそうでした。

小学校の授業でも、45分教師が喋り続けたら子どもたちは飽きます。
集中力は、ある子でも15分くらい。
ない子で5分もてばいい方。

だから、子どもたちを飽きさせないように、45分をいくつかのに要素(エレメント)に分けましょう。

国語なら、45分を説明、音読、話し合い、ノートに書く、漢字学習などに分けましょう。それぞれ5〜10分ずつ行えば、子どもは飽きません。

算数なら、フラッシュカードや百玉そろばん、教科書の例題、教科書の練習問題、計算スキルなど。

理科の実験なら、学習問題を立てる、予想する、実験道具の準備、実験、結果を書く、結果を話し合う。まとめをするなど。

社会の授業なら、地図記号や県などのフラッシュカード、地図帳で地名探し、教科書を読む、社会や資料から気づいたことわかったこと思ったことを箇条書きする、それを板書させたり発表させたりする。共通点や違いを話し合う、まとめをするなど。

音楽なんて、一曲だけを1時間かけて教えるなんて、飽きますよ。何曲も歌ったり、歌詞を音読したり、情景を話し合ったり、リズム打ちしたり、リコーダー吹いたり。

体育だって、図工だって、5分から15分の要素を組み合わせることができます。

45分や50分の授業時間を、いくつもの要素に分けて教えるだけで、子どもたちは、飽きずに集中しますよ。

授業のスキル基本のキ其の五、言うだけでなく板書する。

2020-05-16 12:36:00 | 授業のスキル

其の四で、指示は1つだけと言いました。

「でも、一つだけの指示でもできない子がいる」

「でも、いくつもの指示をしないといけない場合もある」

そんな反論もあるでしょう。


「でも、一つだけの指示でもできない子がいる」

そうです、いるんです。

その子は、聴く力(聴覚)が弱く、見る力(視覚)が優れているのかもしれません。


人は、聴覚優位の人と視覚優位の人がいます。


聴覚優位は耳から聞いて覚えますが、視覚優位は目で見ないと覚えません。


ほとんどの人は、どちらかが優位ですが、その差が激しい子もいます。


先生の指示を全く聞かない子は、聴覚が弱く、視覚が優れているのかもしれません。


だから、視覚にも訴えられるように、大事な指示は、言った後に板書しておきます。


聞き忘れた子も黒板を見れば分かります。



「でも、いくつもの指示をしないといけない場合もある」

その通りです。


その場合は、指示しながら、板書しておくのです。


箇条書きで、番号をつけて、黒板に書いておけば、ワーキングメモリーが少ない子も、黒板を見ればやる事とその順序が分かります。


稀に、黒板を使わずに話だけで授業を進める教師がいます。そのクラスでは、ワーキングメモリーの少ない子や、視覚優位の子たちが落ちこぼれていきます。


言うだけでなく、板書することで、それらの子たちを救うことができるのです。


授業のスキル基本のキ、その四、指示は1つずつ

2020-05-15 19:35:53 | 授業のスキル

「教科書を出して34ページを開いて3番をやりなさい。ちゃんと下敷きもつかいます。鉛筆は削っていますか。」

教師がこう言ったら、クラスの子は全員その通りにする。
そんな理想の教室…はありません。

何人かの子は、その通りできます。
多くの子は、教科書出してペラペラページをさがします。
下敷きを出すことに集中する子もいます。
鉛筆を削り出す子もいます。
そして、何もしない、もしくは机に突っ伏す子もいます。

「先生!どこやるの!」と、ヤンチャな子が叫びます。

「さっき言いました!」先生が怒鳴り返します。

こんな光景見たことありませんか?
実は、教師になりたての僕の授業です。

一度で聞ける子に育てたいと、一度しかいいませんでした。

で、話を聞いてないと、説教しました。

その結果、子どもたちのやる気はどんどんなくなりました。学級崩壊の始まりです。

「教科書を出して34ページを開いて3番をやりなさい。ちゃんと下敷きもつかいます。鉛筆は削っていますか。」

これの何がいけなかったのでしょうか。

実は、脳科学の研究で、わかります。

ワーキングメモリー、聞いたことありますか?
作業記憶と訳されます。脳で今やる事のために、一時的にする記憶のことです。

ワーキングメモリーは一時的な記憶のため、すぐに忘れてしまいます。さらに、個人差はありますが、一度にいくつも覚えていられません。普通の子どもなら3つ、支援の必要な子は1つしかワーキングメモリーがない場合もあります。

新しい記憶が入ったら古い記憶を忘れます。
だから、いくつも記憶させなければいけない指示は、前の指示を忘れてしまうのです。

先ほどの指示、
「教科書を出して34ページを開いて3番をやりなさい。ちゃんと下敷きもつかいます。鉛筆は削っていますか。」
これはいくつ指示があり、いくつワーキングメモリーを使うでしょうか?

①教科書を出して

②34ページを開いて

③3番をやりなさい。 

④ちゃんと下敷きもつかいます。

⑤鉛筆は削っていますか。

5つの指示があるため、ワーキングメモリーは5つ必要です。

先ほど、普通の子で3つと書きました。
普通の子も、これら全てを覚えていられないのです。

ワーキングメモリーが1つのヤンチャな支援の必要な子は、分からなくなるから聞き直すのです。
または、脳がパニックになり、机に突っ伏すのです。

ではどうするか。
代案を示します。

「教科書を出します。」
指示後、視線を飛ばし、全員出したか確認します。

「34ページを開きます。開いたら、開きましたと言います。」
視線を飛ばしながら確認します。
言わせる事で、まだ開かない子に気づかせます。

「3番を指で押さえます。隣の人が押さえてたら手をあげます。」
全員手をあげたか視線を飛ばします。
隣の子に確認させる事で、わからない子も隣の子に教わります。

僕なら、下敷きや鉛筆削りはここでは言いません。机間指導しながら個別対応します。

ここまでやっても、1分もかかりません。

これは例示ですが、どの授業でも、指示を出すときは必ず1つにします。
1つ指示して視線をとばし確認し、また次の指示をするのです。

これをよんだら、明日から実践して下さい。昔の僕みたいに、学級崩壊させないように。