自著の小説・詩の紹介(巨人戦)

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高木徳一の小説の執筆状況と11作目の『小説歌謡詞』(吉田修一作品2)(巨人戦)

2010-03-03 09:03:20 | 小説

 今日は。

 早くも3月となりましたね。気温の変化が激しく、体調管理には十分留意して下さい。寒さからこの2、3日腰痛になり温湿布をしました。

 政治面では、予算案が衆議院を通過し、年度内成立が確実で、無駄を排除した執行をお願いします。政治と金では、民主の小林議員の会計責任者が逮捕された由。真相解明が待たれます。

経済は1ドル88円台と円高が進んでいます。トヨタの社長が米国公聴会や中国でリコールに関して謝罪をしていますが、早急な対処が望まれます。

ハイチ地震に続いてのチリ大地震が太平洋沿岸に津波の恐怖をもたらしました。日本同様の地震国チリでは耐震建築が多いそうで、倒壊建築は少ないが、津波による死者が多いとの事。国際的な救援活動を期待します。

 スポーツでは、バンクーバーの冬季五輪が終了し、参加選手の皆さん、感動を有難う御座いました。実力を出せた人、出せなかった人、思わぬアクシデントに見舞われた人がおりますが、これを糧に更なる飛躍を目指して下さい。日本人の銀メダルは500Mの長島選手、フィギュアーの浅田選手、女子スピード団体追い抜きの田畑、穂積、小平選手、銅は500Mの加藤選手とフィギュアーの高橋選手です。それに4位から8位までに入賞された方々、お芽出度う御座います。選手団最年少の高木美帆選手は長い合宿で調子が落ち、残念ながら実力を発揮出来ませんでしたが、この貴重な経験を同僚や後輩に話し、次回のソチ大会には頑張って下さいね。モーグルの上村選手が開催ごとに順位を上げ、4位入賞は敢闘賞ものです。フィギュアー織田選手の靴紐切れのアクシデントは残念でしたね。しかし、フィギュアー陣6名の全員入賞は特筆ものです。カーリング娘、ジャンプ陣、ハーフパイプ陣、距離陣、そり陣なども奮闘しましたね。

 プロ野球もキャンプが終わり、オープン戦が始まっておりますね。巨人の新人長野(ちょうの)外野手は先日8試合連続安打で絶好調と新聞に出ていました。外野はラミレス選手のみが当確で、残りの2枠は松本、亀井、谷、高橋の各選手が競っていて、二浪までして憧れの巨人に入った彼はその一角に食い込まねばなりません。私も二浪して大学に入り、準公式野球の外野手でしたので、彼を応援したいです。西武の雄星投手は2軍スタートだそうですが、焦らずじっくり調整して上がってきて下さい。

ゴルフの宮里藍選手は海外ツアーで開幕戦から連続2勝として天晴れですね。男性陣の奮起を望みますよ。

 テレビの『今日は何の日』で、『中国残留孤児の第1回日本訪問』を放映しており、思い出しました。昨日ニュースで、中国南京市に日本が800万円を補助し、柔道場を建設し、東海大山下教授(ロサンゼルスでの柔道金メダリスト)が現地の子供達に技を指導したと知りました。私は約10年前に北京駐在の時、南京市内での病院訪問を終えた後、日語の出来る部下と『日本軍による大虐殺の記念館』に誘われて見学しました。その際、日本人には現在も悪い感情を持っているので、館内に入ったら日本語を喋らないように言われました。月日の流れと共に南京との交流が進んでおり、嬉しい限りです。この時の壁に塗り込められた人骨や日本人の訪問団の鎮魂の幟などを見た経験を、自著小説『赤い笹舟、戦争シリーズ①』に挿入しております。

 今回の書評も吉田修一作品です。

『パーク・ライフ』(2002年、文藝春秋)と『静かな爆弾』(2008年、中央公論新社)の読後感

1.『パーク・ライフ』は(パーク・ライフ)と(Fflowers)の二編収載。

 1)(パーク・ライフ)

  (1)書き出しの文章に度肝を抜かれました。それは、『日比谷交差点の地下には、三つの路線が走っている。この辺り一帯を、たとえば有楽町マリオンビルを誕生日ケーキの上飾りに譬(たと)え、上空から鋭いナイフで真っ二つに切ったとすると、スポンジ部分には地下鉄の駅や通路がまるで蟻の巣のように張り巡らされているに違いない。地上のデコレーションが派手でも、中身がかすかすのケーキなど、あまりありがたいものではない。』です。

上空からナイフで切るという発想が、過去に読んだ小説には無かったです。中身がかすかすというのは、現在の人間関係の希薄さや危うさを指しているのではと思いました。

  (2)地下鉄で先輩が先に降りたのも気付かずに、窓の向こうの日本臓器移植ネットワークの広告を眺めて、後ろの先輩に話しかけたが、相手は見ず知らずの女性。その後、彼女と日比谷公園で再会する。互いに昼休みに公園に来ていて、彼女は彼を意識していた由。名を告げぬまま会話が弾む、不思議な距離感である。

  (3)最後の文は、余韻を残すやり方と感心しました。

   『「あの、明日も公園に来て下さいね!」そう叫んだ僕の声に、人々が一斉にこちらへ顔を向けた。人ごみの先に、ちらっと切れ長の目が見えた。一瞬、頷いたようにも見えたが、彼女はそのまま人ごみの中に姿を消した。消えた彼女に背を向けて、ひとり公園のほうへ歩き出すと、「よし。・・・・私ね、決めた」と呟いた彼女の言葉が蘇り、まるで自分まで、今、何かを決めたような気がした。』とあります。

何を決めたかを読者に想像させています。

以上の点が芥川賞を受賞した理由の一つでしょう。

『炎に死す』を自費出版した際の『鶴書院』の野口編集長さんから、余りに詳細に書き過ぎて、余韻が感じられないとのコメントを頂いた事を思い出しました。

 2)(flowers)

  (1)主人公の僕は幼くして両親を亡くし、婆さんに育てられ、叔父さんが経営する墓石石材店で働く。 結婚し、喜劇女優を目指す彼女と上京して運送業に転職する。そこの社長、こき使われる社長の同級生、先輩などの不倫を交えた人間関係を一部自分も関わりながら観察してゆく。忍耐の限界、そうなるにはそうなるだけの理由などの人間模様がテンポ良く展開されている。

  (2)登場人物の描写が丁寧で、絵が浮かぶ。例:似ていたのは顔でなく、重さで、譬(たと)えるなら羽毛に近い。筋肉馬鹿の二代目真二さん。関節ごとに濃い毛の生えた、藤田のおっさん。

 (3)独特の言い回しをする。例:不安が彼の歌う鼻歌の音符に変えて、口から出てゆくようだ。元旦と永井さんの奥さんとの情事に、まるで影のように参加してしまった。軌道を離れた人工衛星の、やる気のない後姿が目に浮かぶ。

2.『静かな爆弾』

 1)ドキュメンタリーの制作スタッフの一人が、公園で小2で耳が聞こえなくなった女と出会い、筆談を交わすようになる。何時しか土日だけ同棲。彼女との距離感のじれったさが良く描写されている。そこに、多忙な出張と以前付き合った女性達との恋に振り回された回想が入り、対比される。

 2)彼女を実家に連れて行き、その後母からの手紙を受け取った彼女から携帯返事がなくなり、次の展開を予測し楽しんだが、思わぬ方向へ引っ張られた。

 3)ここでも、独特な言い回しがあった。例:暖かい風に、深く枕に沈みこんでいた頭が、そっと手のひらで掬い上げられるようだった。カラカラと乾いた音が、妙に風の暖かさを伝えてくる。硬い口調が膠着した状態を、ますます増幅しているように思える。

 さて、仮題『カメレオン人生』は150枚ほど進みましたが、同期会やデートで訪れた名跡の紹介が多すぎる嫌いがあるので、心理描写を増やしたいと考えている所です。残りは50枚位か・・。主人公に降りかかる災難をどう乗り越えてゆくのか、周囲の援助はあるのか・・。

 最後に、11作目の『小説歌謡詞』を掲載しますので、歌って下さいね。

        

          いろはにほへと (戦争シリーズ②)

                 七七五調

   一. 面胴小手    蝉も驚く    日本晴れ

      高校剣士    全国二位に  鼻高し

      上を目指すも  骨を折っては やけ酒を

      改心した時   赤紙一枚    舞い込んだ

      攻めし上海   友の死越えて 南京へ

      城を落として  日本帝国    バンザーイ

      声高らかに   声高らかに

   

   二. 愛を感じた   強姦未遂の  娘さん

      守るために   狂った女(ひと)と 殺された

      青龍刀で    義弟も殺(や)られ 鬼と化す

      唸る軍刀    処刑場     農民も

      夫の無実    日語で訴え  妊産婦

      片目の娘に   妹思う     処刑人

      刀を置いた   刀を置いた

   

   三. 逃げた婦人  赤子を産んだ 合いの子を

      出張中の    処刑人の   弟と

      恋し愛して   戦争前夜    身を委ね

      罪無き人に   波乱の人生  引き起こす

      戦後になって  処刑人も    絞首台

      国や家族の   幸せ願い    一歩ずつ

      色は匂えど   色は匂えど

      


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