智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

家物語12、厠、便所、トイレ、お化粧直し?

2013年10月05日 | 家の設計、インテリア
トイレを、どう受け止めるか?

「たかが便所」と用をたすだけの厠と見るか、

用のついでに口紅を直す「お化粧室」と捉えるか、これは男女の差ですね・・・

私は、女性の来客者を意識して、快適な空間作りを心がけました。


位置関係では、

旧宅が寝室からトイレまで、余りにも遠く、夜中目が覚めてしまい、

寝室にトイレを近接させました。

これで、風呂上りに、人目に触れずに、寝室で涼むことができます。


内装では、まずは、窓のお話。

「中を覗かれない様に、上下可動で、網戸は全面で」と要望を伝え、

「上下」に引違いの曇り窓で、普段は上を開放していますが、

換気の時、中央に寄せても、網戸が全面張りなので、蚊が入って来ません。

普通、このタイプは上もしくは下の戸が固定され、可動側の片方のみ網戸がつきます。



照明は、天井と足元灯。

真夜中にトイレに起きたとき、「まぶしくて目が覚める」ことがないように、

足元をぼんやり照らします。

これは、住林の方々にも、来客の皆さんにも、感心されました。

ホテルのベッドの「フットライト」を参考に、「あればいいな~」と。



「防音も気になる」と住林に伝えると「断熱材を壁に入れると、簡易防音になる」

実際、ジョロジョロ音が一切漏れませんので、安心です。



バリアフリーについても、万一の車椅子に備え、

全室の扉を引違戸の、ワイド80cmタイプ(標準は70cm)。

更に、トイレと洗面所の間の壁を、取り払える構造にしておきました。

また、気分が悪いときや、腰を痛めたときの経験から、

便器の右側に、手すりつきペーパーホルダー、左側に手水鉢台を配置し、

両側にもたれたり、両手で体重を支えられるようにしました。



壁紙は、他の部屋が塗り壁のため、

トイレと洗面所の2箇所しか壁紙を使用せず、気合を入れて探しました。

国産、輸入品、ホームページでサンプル写真を見続け、輸入代理店に足を運び

「花鳥風月柄で、チーク製の手水鉢台と合うもの」をテーマに

スウェーデン製の壁紙を選びました。

偶然ですが、

中国の蘇州で買いました、絹のテッシュホルダーと、柄が似通っています。

いわゆる「シノワズリ」「中国趣味」「東洋趣味」と申しましょうか。

食器で、日本の「柿右衛門」有田焼の紋様が、ドイツ・マイセン食器で真似されて、

逆に輸入されるのと同様で、

東洋の花鳥風月柄が、北欧の人の目を通して、壁紙という素材で帰ってきたのです。

カーテンも、似たような状況で、日本には優れた伝統柄・デザインがあるのに、

洋間という現代空間に活かしきれていないな、と残念に思いました。


話は我が家のトイレにもどり、

このような大柄で大胆な柄の場合、壁の4面全てに使用するより、

1面か2面に、アクセント使いするほうが、スッキリしていいです。


最後に、機能面ですが、

TOTOにしないで、INAXにして、思いっきり後悔しています。

「大」を流すとき、便器を「汚しながら」去っていくのです。

こんな便器があるのか、驚き呆れ、不愉快極まりない!です。


お風呂も、

「蓋」にご注目下さい。

単純な形、左右同じ、表裏同じ「でない」ため、

「右専用の蓋」を「裏表間違えなく」置かないと、隙間から水蒸気が漏れ出ます。

風呂場では、手も濡れており、蓋を「正しい向き」に裏返すとき、

蓋が滑って自分に当たり、夫も、私も、痛い目に合いました。

床も「TOTOのカラリ床と同等機能」と住林は言いましたが、劣っていました。

実家がこれより7年も前にTOTOにリフォームしましたが、

床はカラリとして水捌けよく、蓋も左右・上下・表裏区別無く、無意識に置けました。


利用者に「正しい向きに置けよ」と要求する

INAXの企業風土が、透けて見えます。

10年後、TOTOにリフォームしたいです!!!(怒り)