走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

本当の強さってなんだろう?

2012年01月27日 02時50分53秒 | ちょっといい話
 NHKの「ようこそ先輩」という番組を観ていて感動した。

 その日は、柔道家・鈴木桂治さんの番であった。
 番組の内容は、番組のホームページから引用すると次のようなものである。

 アテネオリンピック・柔道金メダリストの鈴木桂治さん。
 3歳で柔道を始め、これまでひたすら「強くなる」ことを追い求めてきました。北京オリンピックでは、まさかの1回戦敗退という屈辱を味わい、一時は引退も考えたといいます。
 しかし悩み抜いた末、このままで終わりたくない、と現役続行を決意。現在は、2012年のロンドンオリンピックを目指し、更なる「強さ」を追求し続ける毎日です。
 そこで鈴木さんが選んだ授業のテーマは、「強さ」について考えること。
 子どもたちは、柔道をアレンジした「ひざ立ち柔道」を通し、強くなることを目指します。
 初めは、力が弱いから勝てるはずがないと諦めていた子どもたち。
 鈴木さんの狙いは、「心の強さ」を持たせることにありました。
 そこで、北京オリンピック後に葛藤していた自分の気持ちを、真っ直ぐに子どもたちに語ります。
 更に、「自分の弱さ」というタイトルで、全員に作文を書かせることに。
 しかし、鈴木さんが作文の発表をうながしたところ、拒否する子どもたちが続出。
 そして、予想外の展開が…。
 果たして子どもたちは、強くなることができたのでしょうか。

 どうです、観たくなるでしょう。

 何が感動したかというと、鈴木さん自身が自分が負けた試合を子どもたちに見せるというシーンがあります。
 自分の弱さを自分の立ち居地よりも下の者にさらけ出す。
 これは一つの「勇気」だと思います。
 おそらく彼が常勝の柔道家だったとしたら、ひょっとしたらこのようなことも思いつかなかったかもしれない。
 己の「弱さ」を自覚したからこそできる行動であろう。

 そして、その弱さから脱却し、「心の強さ」を持つには己との戦いに勝つことしかないのである。
 「ひざ立ち柔道」において「勝つ」ということに執着しなくなった子どもたちがあまりにも増えたことにも驚かされたが、そのことによって自己研鑽をしなくなったことにも気付かされた。
 鈴木さんが、自分の消したりたいであろう過去をあえて見つめなおすことで、子どもたちに伝えたかった「本当の強さ」は子どもたちの心に届いたと思う。

 こんな鈴木さんを素敵だと思うし、ぜひロンドン・オリンピックに代表として出て欲しいものである。
 心から応援したい。


◆鈴木桂治(柔道家)プロフィール

 1980年茨城県生まれ。
 3歳から町の道場で柔道を始める。
 2004年アテネ五輪100キロ超級で金メダル獲得。
 翌年には重量級前人未到の3階級制覇を達成。
 しかし2008年の北京五輪では、選手団長を務め金メダルが期待される中、1回戦で敗退。
 一時は引退も囁かれたが、現役続行を決意。
 2011年全日本選手権で4年ぶりの優勝を果たした。
 現在、母校国士舘大学体育学部で教員の職につきながら、2012年のロンドン五輪を目指す。