地元地方新聞の4コマ漫画の話である。
漫画世代として育った私としてはほとんど欠かさず5面の4コマ漫画を愛読している。
そして、最近、漫画家が交代した。
新しい漫画は、これも愛読書の一つである隔週に発行される漫画雑誌に掲載されている漫画家の作品である。
なじみのある雑誌の作品はほのぼのとしたタッチで、心癒され、長く連載されている。
そして、この作者は、4コマの中にそれを表現されようと苦心されておられる。
時に理解に苦しむ作品もある。
だが、長く愛読しているので、その知識がある分だけ何とか理解できる。
この作者の作品を知らない人たちにとっては、「どういう意味?」みたいな感じで捉えられることもあろう。
一方、前任の漫画家は、4コマ漫画の本質を理解していたような気がする。
私の勝手な思い込みであろうが、4コマ漫画は究極の「起承転結」を表現した漫画だと思うからである。
起承転結で有名な話は、前にも紹介したことがあるのだが大阪で適塾(てきじゅく)を開いていた緒方洪庵(おがたこうあん)の話である。
彼は、塾生に起承転結の文体について説明する時に次のような都々逸(どどいつ)を紹介した。
大阪本町、糸屋の娘
姉は十七、妹は十五
諸国諸大名は、弓矢で射(ころ)す
糸屋の娘は、目で射す
秀逸である。意味はこうである。
(起)大阪の本町というところに糸屋というお店があったそうな
(承)そこに、姉が十七歳、妹が十五歳の姉妹がおりました(関心ごと:きれいな姉妹なの?)
(転)(急に話を変えて)諸国諸大名は戦で敵を弓矢で射殺します(はあ??)
(結)糸屋の姉妹は、目で射す(なるほど、魅力的で別嬪(べっぴん)さんか...)
どうです?凄いと思いませんか?
そして、4コマ漫画はこの並びで構成されている時は、つい笑ってしまったり、感心したりするものです。
時に作者は、この並びを代えたり、変則な組み合わせにしたりと挑戦していたような気がしますが、少なくとも私はそういう時、違和感がありました。
まあ、4コマ漫画でこんな理屈(屁理屈?)を並び立てるのは私くらいなものでしょうが...