「人のためになること」、難しいことではない。
まず、一生懸命働き、税金を納める。
それだけで十分人の役に立っている。
私のような木端役人の給料を払うために税金を払っていると思うと腹が立つ。
税金は所得の再配分という社会システムだということをご理解いただきたい。
皆さんに納税していただいた税金を有効に社会のために役立てるというのが、私たちの本来の仕事であります。
しかし、日常の仕事に追われていると、得てしてこのことを忘れがちになる。
だからこそ、私たちにかかる経費は少しでも抑えないと、社会システムの方へ回すお金が減るのである。
行政改革を担当していた頃、このことばかり考えていた。
ただでさえ、仲間に嫌われる仕事である。
だからこそ、「ここで何円浮かせば教育費に回せる」、「ここで何円削れば民生費に回せる」、という風に考えるようにしていた。
そういう風に考えないと、もたない自分がいた。
最近、ある人から、「私は、人の役に立っているんでしょうか」と問われた。
「(人の役に)立ってる、立ってる。十分、立ってるよ。働いて、税金を納めているんでしょ?なら十分、(人の)役に立ってるよ」
社会が認める大人とは、納税者になること。
障がい者の希望の星、竹中ナミさん。
彼女は終始一貫、「チャレンジドを納税者に」
たった一言だが、これほど重い言葉はない。
いま、消費税についてマスコミの方はいろいろと国民に分かりやすく解説してくれている。
しかし、その一方で納税の大切さを解説している場面はわずかである。
そして、私たち行政に携わる人間は、いかに上手に税金を取るかに血眼になる前に、いかに税金を納めたいと思わせるようなまちづくりができるかに終始すべきだと思う。
個人的には、死ぬまで納税者でいたい...