戦後、高度成長期にかけて私たちは必死で所得を上げるために邁進してきたような気がする。
そして、それは企業の収益性を追求することで成り立ってきた。
それは、美徳にすらみえた。
しかし物質文明に満たされると、物欲のない世代が台頭し始めている。
例えば、今の若者が車やバイクに興味を示さなくなったという。
メーカーは、必死でデザインを変えるなどの努力をしているが報われていない。
価値観が多様化し、過去のようにマスで捉えられなくなってもいる。
企業自体が大きな転換期に来ているのだろう。
何をどうすればいいのか、まさにお手上げ状態だ。
しかし、一方で爆発的に人気が出るメガヒットなる商品も現れる。
本当に不思議な社会になったものである。
だがぶれない企業も多い。
その多くに通じるのが、「世のため、人のため」を最優先に掲げている企業。
先日も、地元の小さな企業の社長さんとお話していて、思いつきのような話をし、「社会貢献活動として協力いただけませんか」と投げかけると、「うちも決して楽ではありませんが、そういうことをしなければならない時期に来ていると思い始めてましたから、協力できる範囲、協力させていただきますよ」という返事。
投げかけておいて失礼な話だが、意外であった。
「この国も、企業人もまだまだ捨てたもんじゃないなあ」と思った。
収益性から社会性へと脱皮できる企業が、生き残り、成長するのかもしれないと改めて思った。