遠く離れた異国アルジェリアで日本人が人質になっている。
アルジェリアは北アフリカ、地中海に面した国であるが人質にあった人たちは砂漠の真ん中に位置する天然ガスプラントにいたという。
そして、なによりも情報が入ってこない。
ご家族にとっては不安でたまらないであろう。
ただ救われるのは国が素早く動いてくれたことだ。
一私企業のために国のトップが動く。
それも他国への訪問を取りやめてでもそのことを優先する。
なによりも人の生命(いのち)は変えがたい。
国民もそのことは好意的に支持するであろう。
これを受けて、当事者の日揮のトップも現地に飛んだ。
過去にこういった事件があったが、トップが自ら現場に行くのは珍しい。
家族にとっては、その姿勢がうれしいはずである。
危機管理とは、こういうことではないか。
見本のようなアクションである。
少しでも早く、人質になっている人たちが救出されることを願う。
少し話は変わるが、このブログで大恐慌の後に就任したルーズベルト大統領の政策について書いたことがある。
同大統領は、ニューディル政策で教科書にも出ている。
そのダイナミックな政策は公共工事を行い、多くの雇用を創出し、景気回復をしたと書いてある。
しかし、その真実は就任後の最初の一ヶ月目の5万人の新規雇用だけだったという人たちもいる。
たしかに同じように公共工事につながる予算を打ち出しているが、恐らく現実的には新規雇用にはつながらないような気がする。
なぜなら、工事が終われば雇用関係が解消されるからである。
しかも、予算化し、実際に雇用が生まれるには自治体のシステムからすると半年から一年かかる。
だが、やらないよりは絶対やったほうがいい。
景気は心理状態に左右されるからである。
特に、相場(円相場にしても株式相場にしても)は希望に対し上下する。
暗い未来には絶対投資しない。
そのことを現政権は認識しているような気がする。
それは、金融政策に手をつけたことでもわかる。
賛否両論はあるが、先のルーズベルト大統領の最も有効な政策は、金融システムを抜本的に見直し、二度と大恐慌が発生しない「信用」というキーワードを金融政策に盛り込んだところにある。(FRBはこのときに生まれ、今も十分通用するシステムを築き上げた)
世の中の根本に通貨の流通がある。
このことをわかっているようでわかっていない人たちがあまりにも多い。
だが、そのことを放置しているとボディブローのように効いてくる。
なにをやっても良いところも悪いところもある。
悪いところだけを取り上げてネガティブな発言をする。
時にはスキャンダルぽく表現する。
そのことで何が生まれるのか。
自分たちが背負っている社会的使命を思い起こして欲しい。
何よりも国民の未来を明るいものにするということが第一義にあるということを。
大事なのは挑戦するということ。
だめだとわかれば、迅速に方向転換すればいいのだ。
なにもせず、批判だけしていては何も始まらない。
私たち国民も、マスコミももっと大所高所でものごとを見ていないとこの国に未来はないと思う。