久しぶりに落書きをしていたら、娘が覗き込んできた。
いただいた花があまりにもきれいだったので思わず写生し、ご丁寧に水彩絵の具で色づけをしていたからである。
「ふう~ん、絵なんか描くの久しぶりやない。
私ねえ、父さんの絵を見るの好きやったんよ。
小さいときね、父さんの部屋に置いてあった大きなスケッチブックが2冊あったやろう。
それを内緒で見るのが好きやったんよ。
部屋に入ると怒られると思って、誰もおらんときにそぉーと入って、あのスケッチブック見るの好きやった。」
「あれ、落書き帳みたいなもんやったんやで」
「でも、なんか見るの好きやった。お皿の絵なんかもあったやろ?」
「あ~あ、印象に残ったメニューを描きとめていたやつかなあ」
「あれ見て、父さんは将来、料理店するんやと思ってた」
「そうやなあ、あの頃はやりたいことがいっぱいあったような気がするなあ・・・」
「あのねぇ、父さん最近後ろばっかり振り向いてない?」
「そうかあ?」
「ぜったいそう。なんかなあ、後ろ向いて反省することも大切やけど後ろばっかり見ているような気がする」
「そんなかなあ?」
「後ろ振り向いてても何にも生まれんと思うよ。大切なことは、前を向いて、将来に向かって歩まないかんと思う。
前の光に向かっている父さんは輝いて見えたし、その方が絶対素敵やと思う」
「そうか、意識して前向いていかないかんなあ」
いつの間に、この娘はこんなに大きく成長していたのでしょうか。
そして、何よりも驚いたことは、娘が内緒で私のスケッチブックを盗み見していたことです。
子どもはいつも親を見ている。
人にばかり言っているのに自分が一番気づいていない、そんな父親なのです。
いただいた花があまりにもきれいだったので思わず写生し、ご丁寧に水彩絵の具で色づけをしていたからである。
「ふう~ん、絵なんか描くの久しぶりやない。
私ねえ、父さんの絵を見るの好きやったんよ。
小さいときね、父さんの部屋に置いてあった大きなスケッチブックが2冊あったやろう。
それを内緒で見るのが好きやったんよ。
部屋に入ると怒られると思って、誰もおらんときにそぉーと入って、あのスケッチブック見るの好きやった。」
「あれ、落書き帳みたいなもんやったんやで」
「でも、なんか見るの好きやった。お皿の絵なんかもあったやろ?」
「あ~あ、印象に残ったメニューを描きとめていたやつかなあ」
「あれ見て、父さんは将来、料理店するんやと思ってた」
「そうやなあ、あの頃はやりたいことがいっぱいあったような気がするなあ・・・」
「あのねぇ、父さん最近後ろばっかり振り向いてない?」
「そうかあ?」
「ぜったいそう。なんかなあ、後ろ向いて反省することも大切やけど後ろばっかり見ているような気がする」
「そんなかなあ?」
「後ろ振り向いてても何にも生まれんと思うよ。大切なことは、前を向いて、将来に向かって歩まないかんと思う。
前の光に向かっている父さんは輝いて見えたし、その方が絶対素敵やと思う」
「そうか、意識して前向いていかないかんなあ」
いつの間に、この娘はこんなに大きく成長していたのでしょうか。
そして、何よりも驚いたことは、娘が内緒で私のスケッチブックを盗み見していたことです。
子どもはいつも親を見ている。
人にばかり言っているのに自分が一番気づいていない、そんな父親なのです。