色々な方々とお話しする機会が多いのだが、要領の得ない方がおられる。
その話を聞きながら、「この方は本質を見抜く力を持っていないんだろうなあ」とつい思ってしまう。
話がとにかく回りくどいのである。
何よりも、本質がなんなのか、そのことすら追求しようともしない。
「どうなんだかな」と思ってしまう。
一方で、「結論は何?」とせかす方もおられる。
実は、「結論」と「本質」とは違うのだということに気づいておられない。
こういう口癖の方は、成果主義者にちかく、そのプロセスを無視する御仁が多い。
そうなると、やらされた方はたまったもんじゃない。
しかも、そのプロセスにおいて涙ぐましい努力をしていたとしたら、「何もわかってくれない!」、そう感じるに違いない。
私は、上司という立場で意識していることは、部下が本質を見抜く力をつけてくれるよう訓練することだと思っている。
そこで投げかける言葉は、「この事業の目的を一言でいってみて」とか、「この事業は誰のためにするのか一言でいってみて」である。
この「一言でいってみて」が曲者である。
一言で言えないときは、やり直しである。
一言で言えるということは、本質を見抜いている可能性が高いからである。
問いかける分、こちらも本質を見抜いておかないといけない。
この「一言でいってみて」を言える上司になることを意識してきたし、これからも言い続けようと思っている。