NHKの連ドラの「梅ちゃん先生」の中で主人公の父親、下山健三が引退するくだりがある。
教え子の松岡医師がアメリカ留学から帰国し、その成果を発表するところを見ながら引退を決意する。
引退後の生き方として、名誉教授という道があるのだが、彼はこれを固辞する。
人はやってきたことが深ければ深いほど、その仕事に固執してしまう。
主人公は、後進の邪魔になることを嫌う。
自分の使命は、後進育成にあるとキッパリと言い切る。
また、知恵を継承することに本来の意義があるという。
「後に続くものを育てたら、年老いた者は潔く身を引く。
そして、知識や経験を人から人へと受け継いでいかなければならない。」という台詞がずしりと響く。
わかっていても言えないし、まして行動に移せる人は少ない。
だからこそ、引き際が肝心といわれるのだろう...