永崎士道の建設業徒然なるままに、時々国防とグルメも

主に建設業の話題を書きたい。
私自身建設会社の社長だったので、
業者贔屓の発言も大目に見てください。

隠ぺい主義に陥る日本の組織・文化論(その3)

2012-07-16 | 組織論
去年のことだが、震災後間もない頃にボランティア活動をした男性看護師の話を聞いた。 今でも記憶に残っているのが、現地でのテレビ取材の話である。 ある大手テレビ局の取材陣が小学生にインタビューをしていた時、その男の子が、にこにこ笑いながら『避難所生活も結構楽しい』と答えた途端、別の子どもが連れられてきたという。 今度は親御さんと子供、スタッフたちが綿密な打ち合わせをして、泣きそうな顔で避難生活の大変 . . . 本文を読む
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隠ぺい主義に陥る日本の組織・文化論(その2)

2012-07-15 | 組織論
日本の組織は、戦前も戦後も、人材の流動性が基本的に少ない。 とくにエリートたちが集まる上部組織は、欧米に比べるとほとんどない、と言ってもいいくらいだ。 顔見知り同士の組織では、思いやりという日本の美質が、裏目にでやすくなる。 かばい合いから失敗の責任追及、原因究明がおろそかになってしまう。 さらに、限定された内部の人材ローテーションだけだから、組織としての発想も変わりようもない。 そして、同じ失 . . . 本文を読む
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隠ぺい主義に陥る日本の組織・文化論(その1)

2012-07-14 | 組織論
今日は談合ブレストを一休みして、大津の自殺問題を論じてみたい。 今回に限らないが、いじめ自殺が起きたとき、必ず問題になるのが、学校、教育委員会関係者の事なかれ主義と隠ぺい体質である。 亡くなった子の父親が、裁判を起こしたから次々と暴露されたが、もし裁判になっていなかったら、いじめ(というより今回は完全な自殺教唆だろう)の事実は闇に葬られていたと思う。 5年前に起きた大相撲リンチ(かわいがり)殺 . . . 本文を読む
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談合(カルテル)ブレーンストーミング(その24)

2012-07-13 | 談合
予定落札価格(以下、予定価格)が、役所の上限価格だということは前々回説明した。 しかし、ここでよく間違う業界外部の人が多くいる。 無駄な経費も含んだすごい贅沢な価格だ、という勘違いである。 確かに、工事の種類によって非常に利益率の高いものがあったのも事実である(このことはおいおい書いていく)。 一部の工事だが、ぼろい儲けも期待できた。 しかし、談合が消滅した現在、そのようなものはない。 むしろ、赤 . . . 本文を読む
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談合(カルテル)ブレーンストーミング(その23)

2012-07-12 | 談合
以前は公共事業の予算が余ると、新たな工事を発注しなければならなかったが、最近はちがうようだ。 予算の使い方が弾力化され、別の使途に流用できるようになっている。 『科目流用』という。 おそらく、『無駄な公共事業』と叩かれた頃、事業予算を減らす名目で変わったと考えられるが、問題はその流用先だ。  7、8年ほど前、弊社が所在する県管内(1市8町村)で談合が完全に壊れたことがある。 当時は失格価格という . . . 本文を読む
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談合(カルテル)ブレーンストーミング(その22)

2012-07-11 | 談合
発注者が談合破りを嫌った大きな理由はふたつ。 自分たちの仕事が増え、さらに次年度の予算獲得で不利になるから。  だがその前に、『11の都道府県で、最低賃金が生活保護水準を下回る逆転現象が起きている』という昨夜のニュースを論じたい。 結論からいえば、談合を根絶したことが、大きな原因である。  1992年、埼玉土曜会と呼ばれた談合事件があった。 同じころ、宮城県では知事と仙台市長が逮捕されるゼネコ . . . 本文を読む
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談合(カルテル)ブレーンストーミング(その21)

2012-07-10 | 談合
『 省益あって国益なし 』と言われる官僚組織だが、個人的に知っている多くの役人は、世間知らずではあるが基本的に真面目である。 実際、日本の公務員試験は真面目な人間でなければ合格できない。 自治体などではコネ入庁もあるようだが、そんなのは出世できない(ちなみに、友人の中国人から聞いたが、お隣の国ではコネで入ったやつが一番出世するそうだ)。 ところが、組織になると別の顔があらわれてくる。  5、6年 . . . 本文を読む
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談合(カルテル)ブレーンストーミング(その20)

2012-07-09 | 談合
『 絆 』。 3・11以降、あちこちで目にする機会が多くなった。 だが、被害者同士でなければ、絆を結ぶのは無理だろう。 がれき処分を拒絶している市民運動家たちを見て特に強く思う。 戦友の絆は肉親を超えるといわれるのも、苦しみを共有している者同士だからだ。 人間は苦しみからしか学ばないが、真の友情、絆も苦しみからしか生まれない。 『 あいつは俺が泣いている時に一緒に泣いてくれた 』。 損得勘定を越え . . . 本文を読む
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談合(カルテル)ブレーンストーミング(その19)

2012-07-08 | 談合
人間を動かしているのは二つのカンジョウ。 一つは『損得勘定』、もうひとつは『好悪の感情』(もちろん、すべてではないが)。 高邁な理想や難しい理論など、人間を動かす動機としてはほとんど無力である。  10数年社長業をやって得た実感である。 優先順としては、この二つのどちらかが一位でもう一つが二位である。 理想・理論が動機の一位にあると考えている人は、よほどの世間知らずである。 理想・理論だけで実業 . . . 本文を読む
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談合(カルテル)ブレーンストーミング(その18)

2012-07-07 | 談合
人間は理性的な生き物である。が同時に、感覚にも強く影響される。 そして、感覚器官は、肉体を通じた刺激によって情報を受ける。 つまり、感覚は肉体的経験がなければ、存在しえないものである。 だから、近代の理性主義、合理主義、客観主義(以下、理性主義)では、主観的感覚(以下、感覚主義)は徹底的に軽蔑されてきた。  ニュートン物理学に始まる近代科学は、理性主義で大成功を収めた。 ところが、自然科学が華々 . . . 本文を読む
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談合(カルテル)ブレーンストーミング(その17)

2012-07-06 | 談合
久しぶりの談合ブレストです。 今日はいきなり為替の話。 国際経済の競争ルールなど、日本を取り巻く環境が変わってしまった。また、変えられてしまったことが日本を苦しめている。 しかし、税金で生活を保障されている人たち、超円高のデフレ経済で物価が下がっても給料は下がらず、実質的な増収になっている人たちには、非常に住み心地がいいだろう。 だから、『 今は1995年の円高に比べるとそれほど円高でもない  . . . 本文を読む
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個人投資家が絶対やってはいけないこと(その6)

2012-07-05 | 個人投資
ナンピン買いの誘惑をいかに断ち、損切りを実行できるか。 人間心理からすると非常に難しいが、周りの稼いでいるトレーダーたちの話を聞くと、ほぼみんなが同じことを言う。 儲けているトレーダーほど損切りがうまい。 たとえば、9回連続で損切りをくりかえし、10回目に9回分の損失の何倍も稼ぐというパターンが多いようだ。 一万円損切り、一万円損切り・・・一万円損切り、そして三十万円儲ける。 みたいな感じかな。 . . . 本文を読む
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個人投資家が絶対やってはいけないこと(その5)

2012-07-04 | 個人投資
ナンピン買いと損切りについて。 結論から言うと、 ナンピン買いはやめた方がいい。損切りは積極的にやるべき、だが・・・。 ナンピン買いとは、株価が下落しているときさらに買い増すこと。 たとえば、最初株価10,000円のときに一株買っている。 ところがその後、8,000円まで下がってしまった。 そうしたらさらに一株買い増す。 すると平均習得単価は、9,000円に下がる。 ナンピン買いをしなければ、 . . . 本文を読む
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個人投資家が絶対やってはいけないこと(その4)

2012-07-03 | 個人投資
余剰資金のメリットは、塩漬けという選択で売買時期をコントロールできることだった。 ただし、最大のリスクは元金がゼロ、つまり投資先が倒産してしまうことだ。 だからこその余剰資金のすすめなのだが、今は投資対象が非常に増えている。 初めから倒産可能性が低いモノを選択するのが賢い方法。 いちばん代表的なのは、日経225ETF。 日経225の株価を株式のように売買するもの。 特定企業の株式ではないので、倒 . . . 本文を読む
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個人投資家が絶対やってはいけないこと(その3)

2012-07-02 | 個人投資
非常に厳しい統計的事実。 個人投資家の約80%は、元本を減らして投資市場から消えていく。 元本を増やせるのは20%以下。 しかも、そのほとんどが小遣い稼ぎ程度で、飯を食えるレベルは1%に満たない。 投資で生活するなんて夢のまた夢。 小遣い稼ぎ程度でも、なかなか甘くはない。 ただ、メリットもいくつかあると思う(あくまでも個人的見解)。 一つは経済はもちろん関連分野(政治や軍事)に関する感度が非常 . . . 本文を読む
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