前回は金融業とソフト産業を一括りに虚業産業としたが、ちょっとソフトに失礼すぎるので、虚業は金融だけにして、ソフト産業はそのまま呼ぶことにする。 言いたいことは、両者は分業のすそ野が狭く、就労人口が少ない。 だから、失業者の吸収にあまり貢献しないということだけ。
金融・保険業の一人当たりGDPは1,800万円に近い。 日本の労働人口が約6,500万人だから、仮に全員が金融・保険業に就労したら、単純 . . . 本文を読む
米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和第三弾(QE3)を決定したので、今日は超入門をやりたいと思います。
リーマンショック後、FRBは非伝統的金融緩和と呼ばれるQEを矢継ぎ早に行って、株価を急速に回復させるのに成功した。 当初は株価急上昇をうけて、二番底はなし、アメリカ経済はまた成長を始めるという楽観論が大勢を占めていた。 ところが、株価は急回復したが、実体経済のもっとも重要な指標の失業率が思 . . . 本文を読む
新産業やリーディング産業創出と比べた時、合併の最大の利点は何か? それは、リスクが非常に少なくてすむことだ。
言うまでもなく、合併は既存の企業同士が行う経済行為である。 既存産業だから、必ず需要がある(減少傾向にあるかもしれないが)。 つまり、お客さんがいる。 よほどおバカなことをしない限り、個々の会社についていたお客さんは、合併後も引き続き買いものをしてくれるだろう。
ところが、新産業の創 . . . 本文を読む
『談合は、必要悪-悪=必要だ』カテゴリーでは、ルール、制度に対する批判的な検証(愚痴?)に傾いてきました。 批判だけなら誰にでもできます。 そこで、新カテゴリー『とにかく合併だ!』では、主に改善策、対案を提案していきたいと思います。 もちろん、『談合は~』も並行してクリティカルを続けます。
日本は21世紀、どうやって生き残るか? 新産業、リーディング産業の創出!
青森県と三重県 . . . 本文を読む
『予定価格は、予算策定のための見積もりのようなもので、厳密な工事価格を計算したものではない』。 『だから、競争入札は必要である』。 『予定価格以下だから税金泥棒にはあたらない』という言い分に対して、談合批判派の人(とくに公共入札に詳しい専門家)たちの反論である。
しかし、前々回(その12)で書いたように、予定価格は一円でもそれを上回ると落札できない、絶対的上限価格になっている。 これほど厳格な価 . . . 本文を読む
『業者は予定価格以下で落札をしているだけで、予定価格を不当に吊り上げるようなことはできない。だから、税金泥棒という非難はおかしい』。 業者の言い分である。
予定価格は、当該工事の標準的な金額として、発注者が定める。 業者が強調するのは、標準的な価格であって、無駄な経費を含んだ水増し経費ではないということ。 確かにそのとおりである。
ただ、実際には、民間の土建工事よりも公共工事の方が儲けが多か . . . 本文を読む
日本の公共入札には、重大な矛盾が存在する。 そのひとつは、発注者が価格設定を行いながら、同時に競争入札をしていることだ。
会計法が競争入札を強制しているのは、発注者は工事価格を正確に計算出来ないという前提があるから。 ところが同時に、発注者の決めた予定価格が、長らく絶対的な定価と看做されてきた。 一円上回っても落札できない、絶対的上限価格だった。
計算できるのか出来ないのか、はっきりしてほしい . . . 本文を読む
技術を金額換算する客観的方法など、存在するはずがない。 出来ないから競争入札をやっているのだろう。 ところが、評価するのは発注者だけの密室、しかも、提出書などは企業機密などの理由で非公表にされている。
指名入札以上に、一部業者だけを特別扱いすることが可能になってしまった。
昨日の例でいけば、A社の技術提案書は150万円と評価され、提示価格は850万円だった。 入札金額は700万円となる。 一 . . . 本文を読む
京セラの稲盛会長が言われるように、人間は性善、性悪どちらでもない。 性弱である。 善が発現する環境であれば性善説の面が顕われ、逆の時には、性悪説の部分が出てしまう、弱い生き物である。 だから、悪が引っ込み、善が出るような制度、ルールを経営者は作らなければならない。
ところが、今の建設業界は、悪を使い、善をひっこめた方が、儲けやすい制度になっている。 まさに、正直者が馬鹿を見る。
数日前から、二 . . . 本文を読む
優勝劣敗は、ルールが決める。 最近下火になった総合格闘技の試合が、証明してくれた。
私も小学生の時から空手(メイン)と柔道(サブ)をやっていたから、どの格闘技が最強か、ずっと興味があった。 総合格闘技がメジャーになる前は、空手、プロレス、相撲などいろいろな意見があり、理由もそれぞれにあった。
一般的に、寝技系(柔道、レスリングなど)は、打撃系(空手、キックボクシング)より、弱いと目されてい . . . 本文を読む
競争は絶対に必要である。 『談合は必要だ』というのも、『競争は不要だ』という意味ではない。 無競争は必ず、企業も人間も堕落させる。
民業を一度もやらず、税金で生涯生活保障されている者たちが作った経済ルールを、金科玉条のごとく奉り、批判することすら許さないことがおかしい、と言っているのだ。 野球もサッカーもやったことのない者たちが、野球やサッカーのルールを作っている。 それが現在日本の経済法制 . . . 本文を読む
権力者の権力壟断は、良くも悪くも当たり前だ。 一番腹立たしいのは、マスコミが権力者の発表を鵜呑みにして自主調査による談合報道をほとんどやらず、権力者に加担して弱小業者を袋叩きにしてきたことだ。 そして、業者=悪(犯罪者)、発注者=善(被害者)という刷り込みを世間にしてしまった。
弊社が公正取引委員会の調査を受けたときも、業者の言い分は基本的に紙面に載らなかった。 もし載せるとしても、実名でなけれ . . . 本文を読む
発注者への気遣いは、とにかく細心の注意が必要だ。 へそ曲がりな役人にわずかでも粗相すれば、即、指名から外される。
『ある日突然仕事が来なくなり、5年以上も指名に入らない知り合いの会社があった』。 地質測量などをやるコンサルタント会社経営者の話だ。 知り合いの先生を使って調べたら、指名を外した課長が転勤するとき、申し送り事項として次の課長にも伝えたため、5年以上も数珠つなぎに続いたそうだ。 しかも . . . 本文を読む
指名入札では、発注者が業者の生殺与奪権を持っている。 先生の力を借りても、最終的には役所次第である。 先生は落選するかもしれないが、発注者に倒産失業はない。 絶対つぶれない者が一番強い。 落選した先生と二人三脚だった業者の末路は、とくに哀れだった。
バイパス工事の(部分)開通記念事業で、ある業者が協賛金を払わなかった。 所長にすぐ呼び出されて『(延長)工事はしばらく休んでもらうからな』と言われた . . . 本文を読む
新参者には高くつくが、いったん仲間になれば、新しい競争相手を防ぐ防護壁になる。 それが指名入札だ。 既得権の多い古参業者にとっては、とくにおいしい。 もちろん、政治家と発注者(役人)にとっても、金づるの制度だった。
業者が役所に直接陳情しても、普通は相手にされない(ボス格は別)。 少しでもしつこく要望すれば、逆切れされる。
5年ほど前、長年やっていた工事の指名を外された。 競合する業者が某県 . . . 本文を読む