バービックが殺された.
ヘビー級上位に長くいながら,なかなかタイトルホルダーになれなかったバービックだったが,遂にタイトルを取った直後の初防衛戦が20歳のマイク・タイソン.
いきなりビッグ・ファイトだ.
タイソンは世界タイトル初挑戦だったが,築き上げたKOの山が放つ光は,ミドル級戦線の次に注目されているものだった.
駆引きは試合前から始まっていた.
通常,挑戦者はチャンピオンと同じ色のトランクスをはくことは許されない.
当時,バービックは赤か青のトランクをはいていた.
それに主流は赤・青・白・ゴールドといったところだったように記憶している.
だからタイソンが地味な黒のトランクスをはき続けているのは普通ではなかった.
そこで仕掛けてきたのはバービック陣営.
タイソンと同じ黒のトランクスをはくことを試合直前で表明したのだった.
しかしこだわりのタイソンは挑戦者でありながらチャンピオンと同じ色のトランクスをはくことを選んだ.
タイソンへの罰金は3000ドル.
タイソンにとって間違いなく一番高くついたトランクスだろう.
だから試合は両者が黒のトランクスという変わった光景だった.
でもレフェリーが両者を見間違うことはありえなかった.
それくらいタイソンは強かった.
Tyson vs. Berbick
タイソン時代の幕開けを飾ったボクサー トレバー・バービック.
彼が不慮の死を遂げたことは悲しい.
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