しいて、言えば、江戸っ子か?
でも、江戸っ子は、もうちょっと、短気で単純明快か?
解説
この「注意書」は秀逸だ。コンテストがあれば、グランプリ級
だろう。山小屋の、繁忙期の定員を超える忙しさ、慌ただしさ、
喧騒、争い、苛立ちが臨場感をもって、伝わってくるからだ。
想像だが、書いたのは、山小屋に働く若い女性に違いない。
「ひいて」を「しいて」と書いているので、「江戸っ子」と
想像する。江戸っ子は「ひ」が「し」になってしまうのだ。
かく言う私も同じだ。「ひがし」が「しがし」になってしまう。
しばしばパソコンで困る事がある。「しがし」と入れても、「東」
は出てこないからだ。その人の喋る言葉は、主に母親から伝わる。
私の先祖は代々江戸に住んでいたから、私の母親はすこぶるつきの
江戸っ子だった。江戸っ子の特徴は「気が短い」「早口」「気風が良い」
「威勢がいい」「単純」と言った所だろうか。私が小学生の頃
ケンカをしたら、どこかで聞いていた母親から後で褒められた。
「タンカ」の切り方が良かった、と褒められたのだ。どこに、
子供のケンカを褒める親がいるだろうか? 「江戸っ子たあ、
そんなもんよ」と言う所なのかもしれない。