人生の階段ー日々の詩に託してー

ある老婆の日々ーー

水辺は遠くなりにけり

2018年03月01日 | 日記

昔、水辺とその岸辺とは接していて

じかに手で触れることさえできたのでした。

宮本輝の「泥の河」を読むと

あの土佐堀河でさえ手をのばせば届くほど

近いものだったのですね。

丹後の久見浜湾でも

昔は渚まで歩いて湊村までいけたのに

今はあの美しい松並木に沿って

コンクリートの堤防ができてしまいましたから

子供達が渚に降りていって

渚の砂鉄なんかを見たりすることも

できなくなったのです。

そういえば隅田川も一時

すごいコンクリートの堤防があって

すぐ近くに住む子供が

そこに隅田川があるってことを知らないでいた

という話もありますね。

災害のあと

高い堤防を作るのは仕方ないことなんでしょうか

海を見つめ、海風に当たり

海を身近に感じながら暮らしてきた人たちから

海が遠くなってしまうのは

なんとも残念・・・

こんな堤防を築くのではなく

もっと自然に優しい防波堤は作れないのかしら。

川も海も

人々から遠くなってしまった日本の「水辺」ーー

残念な話でございました・・・