遠野駅に到着
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「河童のクゥと夏休み」「どんど晴れ」で盛り上がってるようです。
まず情報収集、
駅内にある観光案内所へ聞きこみ。
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「すいません、このあたりでキャンプ場、もしくは野宿できそうな場所おしえてくださぁい。」
えっ?、
相手してくれたお嬢さんが一瞬戸惑った、がプロだねぇ、
きちんと教えてくれたよ。
かなり詳しくて使える観光マップを開いて
「伝承園と河童淵の傍に小烏瀬川があるんですけど、その橋の近くによくキャンプする人が
集まるようですよ。」
おっ!近くだ、チェック。
そういえば今日は花火大会らしいので町中の橋の下は臨時駐車場になっていてでダメ。
「この道をまっすぐ行き高沢高原と稲荷穴にもキャンプ場があります。
稲荷穴は炊事場とかありますね。」
とりあえず3箇所教えてもらった。
ありがとうね。
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河童捕獲許可証?
・・・いまさら欲しくなったんだけど。
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今回は涼しそうな衣装です。
えっ、もうなんどかこの地に来てるので。
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まずは最初に教えてもらった場所、
小烏瀬川の橋に急げ。
この地に観光したら必ず来るであろう場所「伝承園」「カッパ淵」は今回パスして向かう。
子烏瀬川
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ここかな?
ここだ・・・
あっ水遊びしてるね。
なんか河童でそうな雰囲気な場所。
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広く草を刈った後のようだ。
ベンチがぽつん、あと何もない。
民家が近い。
そばにカッパ淵と千体ものオシラサマがあると思うとなかなかゾクゾクな背筋を楽しめる野宿ポイントかも。
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・・・ほか2箇所見てきてダメならここに引き返そう。
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稲荷穴
馬越峠、ここも河童が出現したとか、クマ注意も!
途中、寺沢高原に向かう分岐点があったような?まっすぐ稲荷穴に向かう。
内心、いやかなり疑心暗鬼で峠を登る。
どんどん山に入るよ、大丈夫?
ほんとここなの?
峠の頂上抜けてこんどは下り道、
あった!
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車がいっぱい停まってる。
人がいる。安心した。
時間はまだ4時半、管理してる人のところへ行く。
「こんにちは!」
「はぁ~い!」
出てきたのはおばぁちゃんたち、なかなかな訛りで聞き取れない(笑)
こちらもずうずう弁を炸裂、そのまま座談会へ・・・
おばぁちゃんたちは夕方で帰ってしまうそうだ。
危ない危ない、セーフ!
使用承諾書に名前を記入。
「料金いくらですか?」
「いまここ市でやってってから、た・だ・」
おっ!無料だ!
「好きなどこさたででいいがら」
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そういえばここ、たくさんの人がポリタンクやらを大量に持ってきてなにしてんだろう?
「穴がら水わいでっからみんな汲んでくんだ。
水うまいがら飲んでみで、
水綺麗なもんだからわさびもできんなよ。」
水・・・うまい!
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これがわさび畑か!
へぇ。
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おお、ほんとだ、あの葉っぱは見たことある。
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ちょっと・・・この広い場所一人でで使えって言われてもねぇ。
あんなに人来てたのに野宿は私一人のようだ。
これは・・・絶対夜怖い!
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一番手前使う。
バイク出入りしやすいしトイレ、炊事場にも近い。
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相変わらず自分が寝るためだけの小さなテント、
荷物が全部収まりきれない。
サイドバッグは入り口の小さな前室にかろうじて入れる。
意外と使える百円ショップのレインカバー、
このバッグとピタリの大きさ、でも走行中は使えないと思う。
素材が弱すぎる。
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さて!
テントを張ったし荷物を置いて夕食の買出しいくか。
この160号を西に下ると「しらいし屋」という店がある。
ここから距離11キロかな。
うおっ!
軽い、軽い!
重い荷物から解放されたトリッカーが本来の運動性能発揮、峠が面白いよ。
速い、それにいい位置に座るとお尻痛くない。
しらいし屋到着、
あれ?
この店なんどか来たことある。
あっそうか、この道こう来てこう行くと、あっそうか!
またこの土地に詳しくなったな。
店先でトリの唐揚げや焼き鳥を焼いていたのでそれを買っていく。
焼いていた兄さんたちと会話が弾む。
酒関係は置いてない。
いつも飲まないけどなんかビールが飲みたい。
あっ、下りてくる途中酒屋さんあった!
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気仙沼で買っておいたフカヒレスープにいちご煮もある。
あとパックご飯。
マイバッグキャンペーンの景品でもらったカップ麺もある。
ドリップコーヒーもある。
ビールもゲット。
水は名水が湧いてる。
明るいうちに調理。
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これは!
なんかごちそうだ!
いちご煮雑炊完成。
ビールもつまみもあるよ。
雑炊簡単、雑炊最高、そう明日も雑炊(笑)
えっ?
いちご煮って?
青森の八戸名物でこのあたりの土産屋でも手に入る。
ウニやアワビなどを煮込んだお吸い物の缶詰。
煮込んだウニが野苺に似てるからいちご煮らしい。
簡単にウニ雑炊が出来る。
人がいなくなった。
あたりが暗くなった。
炊事場に蛍光灯が点くのがありがたかった。
ランタンの燃える炎の音が聞こえるくらい静か。
静かだから様々な音が聞こえてくる。
木々のざわめき、
虫たちの羽音、清水のせせらぎ、野鳥の鳴き声、
今日のことを日記に書く。
もう真っ暗だ。
民家も数キロ離れている。
たったひとり山に取り残されたってところか。
突然!
消防車が入ってきた。
なに、マジ、なんかオレやった?
「あ、あのう、なにか?」
「キャンプですか、火の元に気をつけてくださいね。」
「はい、気をつけますんで!」
あ、今日花火大会だね、消防車応援行くんだ。
突然!
ごおーっと山鳴りがしてびくっと凍りつく。
ぐらぐらっと揺れる。
地震!
やんだ・・・
ドキドキドキドキ・・・・
心臓に悪いな、夜の闇と孤独の恐怖とたたかってる時に(笑)
今までで最高に怖いキャンプの夜だね。
ここまで一人ぼっちは今まで無かった。
しかも民話の里らしくなんか出そう。
もう寝る!
寝ちまう!
くつろぐ余裕なし。
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寝つけねェ・・・
物音一つで背筋にゾクリと電気が走る。
お化けか?
クマか?
UFOか?
お得意のポジティブ変換で
出るなら綺麗なのがいいなぁ、
クマ、このあたりは月の輪だろ、脅かせば何とかなるさ、いや抱き枕がわりに、
とか考えてるとしだいに恐怖感がなくなり何事もなく夜が明けてきた。
明け方近くに眠ってしまった。
朝ここに荷物を置いて遠野の町近辺を散策、
もう一泊ここで過ごすことになる。