寺島家への道!!

子どもの成長と家族の成長をつらつらと

食品業界

2007年01月14日 22時32分05秒 | 2007年1月

 最近大手洋菓子メーカーのずさんな管理体制が問題となった。思い起こせば食品業界には様々な事件があった。ヒ素ミルク、生乳のリサイクル、賞味期限偽造・・・。 人事部とは言え、食品業界に身を置く者として他人事ではない。 僕の父親も長野県内では名の知れた牛乳会社に勤務していた。 伊那、長野、静岡の工場長を経験し、55歳を過ぎても嘱託にならず長野工場長を再び任され、そのまま役員になる予定だったらしい。 本社のある東京の会議の後、いつもならまっすぐ帰ってくるはずの親父から『今日はムシャクシャして飲みすぎたからカプセルホテルに泊まる』と電話があった。 翌日話を聞いたら内容はこうだった。 生乳の本拠地の伊那工場の品質管理(しかも細菌数の検査)を農学部の学生に任せると、親会社である製薬会社からの出向の社長が言い出したらしい。 当然親父は猛反対した。 主力の生乳の要の部門を知識だけの学生に任せられないと社長に意見を述べた。 親父は『間違っていると思ったら上司だろうと反対意見を述べる』が信条の人間なので(この血は実に見事に僕に流れています)、会社のことを考え反対した。 しかし役員はじめ他の工場長も社長の意見に賛成した。 皆社長のイエスマンだったそうだ。 会議の席で1人反対した親父は社長から疎まれ、とうとう役員にはならずに定年を迎えました。定年退職の翌月、1998年4月、伊那工場で製造した学校給食の牛乳を飲んだ子ども達から異常な苦味を訴えられ、検査の結果、通常の数万倍の細菌が検出された。1万5千パックを回収した2年後、全ての製造を停止し、翌年会社が解散してしまった。 その社長は親会社にもどり窓際に追いやられたそうだ。 『ざま-見ろだな』といった僕の顔を見ながら、悔しそうに、悲しそうに『食品は人の命に関る物だから、絶対にウソをついちゃいけない。いい加減なことをしてはいけない』と呟いた。 子どもの頃僕と兄は1日に牛乳を1?ずつ飲んでいた。 他メーカーの水でうすめていた学校給食の牛乳はマズイと思っていた。 今の僕があるのもその解散してしまった会社があったからだ。 不祥事をおこした洋菓子メーカーはフランチャイズの店に休業補償を発表したが、一度失った信頼は取り返すのに時間がかかるどころか、二度と取り返せない恐れだってある。 誇りを持って消費者に提供し、生活の糧にしていた方はこれから一体どうするのだろう。

 今僕の親父は自宅でヨーグルトを作っている。僕も、妻も子供達も美味しく食べている。 おかげで響生などは市販のヨーグルトを一切食べない(美味しく無いらしい)。 きめが細かく、ゼラチンで固めてもいないがとてもクリーミーで、砂糖を入れなくてもそのまま食べられる。 いつか親父にヨーグルト作りを教えてもらおうと思っている。 その時はきっと数十年ぶりに『だめだ、それじゃ。真面目にやれ、真面目に!!』 と怒られるんだろうな・・・ 

コメント
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