VOICE of TSUCKY

ラブラドールのいる風景
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世界一の犬

2009-03-23 | Weblog
マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと の試写会に行って来た。
本を読んでから時間が経っているものの、
あの爆笑エピソードの数々はまだ記憶に鮮明だ。
映画ではそれらをうまくまとめていたが、
たくさんある名場面の中で、
一番印象的なマイアミビーチでの事件は、
すでに本の中でも映像的な表現で噴出してしまった箇所だ。

ビーチで犬連れのマナーをしきるオッサンから、
「指導」を受けるグローガン氏だが、
中年期に差し掛かった自分とマーリーを重ね、
若い頃の活力をもう一度甦らせたくて、「掟」を破ってみるのだ。
それはビーチでの厳禁行為=オフリード。
のびのびとしたマーリーの幸せそうな様子。
他の飼い主たちもつられて犬たちを放つ。
画面いっぱいにビーチを自由に走り回る犬たちの姿を見ると
思わず顔がほころんでしまった。
あちらでも、こちらでも「犬立入禁止」「繋げ」と行動を制限され、
走り回ったり、吠えたりすることは許されない人間社会の中で、
優等生を演じていなければならない犬たちが、
嬉しそうにビーチを走り回る姿を見れば、
飼い主としては解き放ってやりたくなるのが心情だろう。
自分が歩行者天国を歩く時の気分を思い出せば、
犬たちの気持ちが理解できる。

マーリーが年老いて、病に倒れた時、グローガン氏は獣医に言う。
「マーリーは普通の犬じゃないんです。
 だから、普通の犬の基準では計れない。」
生還率10%の状態から戻って来たマーリー。
マーリーを育てたグローガン一家も、「普通じゃない」と思う。
あの素材をそのまま保つことができたのだから・・・。

あまりの暴走ぶりに「農園への追放」の危機はあったが、
乗り越えられたのは、やはりマーリーの存在感であろう。
いつの間にか「ただの犬」ではなく、
家族の中になくてはならない存在となっている犬。
幸せの絶頂にいる時も、絶望的に悲しい時も、
苛立ち、迷って、不安になっている時も、
犬はいつも寄り添っている。
ただ黙って、傍にいる。

指示通り動けることだけが犬の評価基準ではあるまい。
自分にとっての「世界一の犬」はそんなことでは計れない。
犬を思う気持ちと犬から思われる気持ちが通じていれば、
自分にとって最高の、世界一の犬だと思う。
たとえ、その犬が仕出かすことが「おバカ」なことであっても。

ワタシの「世界一の犬」は今夜、ワタシが帰宅するまで
トイレを我慢し、玄関で待っていた。
外に連れ出すと慌しくPIPIとPOPOを済ませ、
家に戻って、ワタシを押さえつけるように被さって臥せた。
安心したのだろう、眠ってしまった・・・。

ちなみに、クリアランス・パピー(セールの犬)と呼ばれたマーリーと同じく、
つんちゃも 特別お買い得犬 のあだ名で呼ばれていた。
値下げされると「おバカ」の称号がもれなく付いてくるのだろうか・・・?









コメント (4)
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つっきーの木