月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

皮膚感覚

2012年07月10日 21時51分01秒 | 仏々相念(住職日記)

抱かれて・・・

 

上野動物園のパンダが話題になっています。

育児疲れだったのでしょうか、お母さんパンダから離れて冷たくなっていた赤ちゃんパンダ・・・

保育器に入れられて・・・

でも、今日お母さんパンダの元に戻したとのこと。

泣き声に反応し授乳開始、よかったですね。

 

温かい御胸に抱かれることほど幸せなことはありません・・・

 

今日の愛媛新聞の「触れ合いのチカラ」を読みました。

脳には身体的な温かさと心の温かさの両方に反応する「島(とう)」という部分があるのだそうだ。

この部分は生まれた時には神経の連絡はありません。

しかし、幼少期に親から抱っこなどのスキンシップを受けるたびに心が温かくなるという体験の繰り返しで身体的に温かさを感じる神経と心理的に温かさを感じる神経の連絡ができてくるそうです。

 

いろんな環境があるのでしょう・・・

温かく育まれる命もあれば冷たくされる命もある。

 

でも、どんな環境であろうとその小さい命は親が頼りです。

もみじみたいな手をギュ~っと握りしめて不安と向き合っている。

その時に触れるお母さんの柔らかき御胸、柔らかき御手で包まれ安心をいただく。

 

親も又子どもの温もりに触れ御育て頂くのでしょう・・・

赤ちゃんだった子どもたちの手を広げて私の指をおくとぎゅ~っと握りしめてくれた感覚は忘れられません。

「オレ、ガンバるから・・・」って親父にしてくれるのです。

 

祖父が往生させていただいた報せを聞いた旅先での時、

そこの本堂に御参りさせていただいて阿弥陀さまを前に泣かせていただいた・・・

コイツの腕の中には当時7か月の娘の温もりがあったことです。

娘があの時教えてくれました、身体的な温もりと心の温もりを・・・

 

触れるっていいですよね!

 

阿弥陀さまも我が親であり続けると抱き通し、よび通し・・・

たゆることなく・・・

だから何事があっても消えることの無き安心が不安の心に灯ることです。

 

たとえ幼少期において親の温もりに出会わなくても、

「島」での連絡ができなくても、

何も信じられない、信じれるのは自分だけ・・・そう思っていても、

真実の親はよび通し、抱き通しでありました。

ず~っと、ず~っと・・・

その「南無阿弥陀仏」を重ねて聴き開き、胸元の前で合わす御手の温もりに気付きながらお育ていただくことです。

 

気付かせていただいてよかった・・・