浜より続く・・・
お参りさせていただいたご門徒宅。
まずは阿弥陀様にお礼をさせていただきます。
「なんまんだ~ぶ、なんまんだ~ぶ・・・」
御念仏申させて頂きながら視界に入る色紙が一枚。
優しい文字で書かれています・・・
薄闇せまる山並に
寒蝉の声うすれゆき
我の心に染みくるは
幼き頃に手をひかれ
浜より続く長き帰路
ただただ歩きし祖母の背を
今はもう見ることかなわぬ
(J)
あ~、お婆ちゃんを思われお孫さんが書かれたのかな~って、
お勤めさせていただきながら何回も読ませていただいたことです。
「このJさんは、お孫さんですか?」
「そうなんです。私の息子です。」
「これはお孫さんが書かれたのですか?」
「書いたのは私なんですが、詩を作ったのは息子です。葬儀の時に棺の中に入れてって言われたもんですから・・・でも、いい詩だと思ったので私が書いて飾らせていただきました。」
「あ~、お参りできなかったんですね。でも、この思いを届けたかったんですね。」
浜からご自宅まで長い一直線の道があります。
美しき山の緑が囲うような村。
そっと目を閉じるとそんな情景が浮かぶのでしょう。
人恋しくなるようなこの季節・・・
その情景の中に幼き頃の自分がお婆ちゃんと歩いているのでしょうか。
どんなことを話しているのでしょう・・・
どんなことを思っているのでしょう・・・
でも、寂しくなかった・・・
お婆ちゃん、あなたが私の手をしっかりと握りしめていてくれたから・・・
長く長く続く道・・・
あなたはず~っとここを歩いてきたのですね。
しんどいこともあり、嬉しいこともある。
その日その日を歩いたのですね。
あなたに会いたい・・・
一人で長い帰路を歩むのは辛いものです。
でも、あなたがいてくれると楽になります、辛いのは変わらないけど楽になるのでしょう。
我が人生の帰路・・・
御浄土への帰路は阿弥陀さまと一緒の歩みです。
「大丈夫!ここにおるよ!」ってギュっとしとってくださいます。
辛いのは変わらないけど「ありがとう!」いっぱいになります。
そんな今日でした・・・
明日も明後日も・・・
日が暮れるのが早くなりました。
朝晩は寒いほどです。
暗くなる空気を感じつつ我が愛しの娘を案じます。
チャリンコに乗って帰っているかな~・・・
暖かいモノでも食べるだろうか・・・
願生れ!
一人じゃないから・・・