最福寺の八大龍王神
丹波国船井ごおり(郡)三十三ケ所霊場の第二十三番札所 【最福寺(曹洞宗)】御詠歌『 旅人の 目をおどろかす 蛇ケ谷の 滝のひびきも 寺の人あい 』と謳われている。
霊場巡り盛んな頃、白装束の巡礼者で寺も賑やかであったであろう…。
往昔、この寺には薬医門があり正面に本堂、右手に鐘撞堂(釣り鐘堂)、左手に薬師堂が創建され、荘厳な曹洞宗の風格を持っていた。今から300年程前に本堂焼失、悲運はつづき昭和26年2月に本堂焼失…400年の古刹の歴史が、薬師如来像・脇佛数体が烏有となる。″郷土丹波古道誌″に書かれている。
今回は、薬医門の左手にタラヨウ(別名;ハガキノキ)の大木があります。その根元に石組で積まれた『八大龍王の小社(祠)』があります。小社の字が消え…読み取れない。少し扉が開いていたので覗き見る、内部の損傷が激しい。よく見ると八大龍王のお札が見えます(写真)。間違いなくこの小社は水の神である『八大龍王』が鎮座されていることが分かる。
埴生地区はその昔、蛇ケ谷川の滝に水が無くなることがしばしば…。この時の神頼みが八大龍王であったと言う…地元古老は話す。水神(龍神)として祀られ、雨を降らせるなどのご利益があると言われ、深い信仰の対象となっている。御詠歌の中の蛇の滝は何処にあるのか!…分からない?
< 写真の大木がタラヨウの木(通称:ハガキの木)、傍らに小社「八大龍王」が鎮座。弘法大師がこの葉を用いて字の勉強をした「学問の木」とされ、寺社にはよく見かけます >
< 薬医門の鬼瓦は魔除けの役瓦 >