ひと筆めぐり 【新発見・再発見・摩訶不思議・唯一無二】への楽しみ…

地域に息づく歴史のひと幕にふれ、…遥かなる往時に思いを馳せる

るり渓の『雨乞い地蔵』

2020-11-03 | 伝承
るり渓の『雨乞い地蔵』 (園部町大河内)
るり渓にある某民宿(営業休止)の裏側に『雨乞い地蔵』がある。渇水期になると雨乞い地蔵に、過去(…明治・大正・昭和中期頃まで)、村は助けてもらったと云う。雨乞の伝承話しを追ってみた…。


天正13年はひどい旱魃(かんばつ)が続き、農作物・家畜・漁業等に大きな被害がでた。千束柴を作りその頂で天高く積み上げ、お神酒を供え、柴を燃やし般若心経を唱えて雨乞祈祷をしたと云う。
水の一滴は血の一滴ともいわれるほど水は百姓にとって大切なもの。日照りが何日もつづき潅がい用水(川・池)も干上がり、川底は亀の甲羅状にひび割れる。田に水を引くことができなくなる。特に「穂孕(ほばらみ)」の時期に水がないと秋の収穫に大打撃となる。大河内では日照りがつづいた年には「困ったときの神頼み」、神様に慈雨をお願いしたと云う。雨乞の場所は、同地区内の天狗岩で行われる。るり渓橋から一望でき約700mの頂にある。
雨乞の日時が決まれば、当日の午後より全戸各一人(働き盛りの者)が雨乞に加わり、皆山仕事着に身を固め、鎌・ナタ・のこぎり等を持って、るり渓川の鳴滝前に集合する。ここでまず「雨乞い地蔵」の頭を固く縛り、鳴瀑の滝壺に沈め、雨を降らせて欲しいとお願いする。叶えて下さればすぐに元にお返しいたします」と唱えると云う。そして一行は天狗岩まで登り、岩山山頂一帯の下草芝刈りをし、周りの雑木を切り千束柴の薪づくりに取りかかる。それを高く井形に積み上げ、祈りながら点火する。千束柴の火は天をも焦がす勢いで燃え上がり、周りを取り囲む村人たちは口々に¨雨を降らしたまわれ¨と大声で天に向かいお願いする…。
祈祷願いは数時間かけ火が鎮火するまでつづく…。不思議なことに恵みの雨、慈雨が降ったという…。
注)大河内の翁衆、るり渓観光協会役員、園部町立西本梅小学校、昭和49年卒業生冊子を参考とする)

<雨乞地蔵は石室に鎮座する。自然石によだれ掛けが掛けられている。タテ29㎝・ヨコ22㎝の大きさ。石室の上部はケヤキ、タカノツメ、ソヨゴ、ネジキが合体し一つのコブ状態、その幹根元の周りは3.3m。地元の方でさえ地蔵の場所が!?…忘却となりつつある。先人の残した文化財である



<るり渓橋より一望、山は天狗岩とも呼ばれ雨乞の舞台となっていた。火山灰が堆積してできた溶結凝灰岩等で、今から約7000万年前に誕生した山です>
< この種の調査は地元の翁衆や郷土史に興味・関心のある人と出会うことが、一番の近道です。「雨乞い地蔵」に会いたくて…過去三回来ているが、すべて空振りに終わっている。るり渓駐車場前の「琉雅亭」お食事処の主人に声をかける。るり渓観光協会の役員さんでした。「雨乞い地蔵」の場所、「天狗岩」、「オオサンショウウオ」等の話を教え頂いた。ラッキーである。ひと筆めぐりの運気上昇…!! >鳴爆(めいばく)
滝の裏が空洞になっており、音がすることからここう呼ばれる。いつも豊富な水が滝となって見事な景色を見せている。滝の正面には休憩所もありここから眺めはまた格別。雨乞いとして地蔵をくくり滝壺に沈めたという古箏がある。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。