ひと筆めぐり 【新発見・再発見・摩訶不思議・唯一無二】への楽しみ…

地域に息づく歴史のひと幕にふれ、…遥かなる往時に思いを馳せる

浄光寺の十字・卍字の梵鐘

2020-02-19 | 神社仏閣
浄光寺の梵鐘 (南大谷)
南大谷にある野口駅跡の碑の前に、浄光寺の案内板がある。一読してから寺へ向かうと、先人の声が聴こえてきそうな静寂の寺である。
曹洞宗日面山『浄光寺』は、普済寺の末寺。寺の創建年号は不詳…。
境内に鐘楼の梵鐘(釣鐘)には十字と卍字が刻まれ、世界平和を唱えている。梵鐘に十字…摩訶不思議な寺である…


この寺には往昔から梵鐘があったが、第二次大戦時に、供出(応召の鐘)となっている。機は熟し昭和38年に二人の発願者(願主)により、謹祈世界平和を願って鋳造されたもの。梵鐘に十字・卍字が刻まれている。願主の平和への願い…からのものと推察する。寺とカトリック、高山右近との関係は…謎である。

『謹祈 世界平和 願主 河上丈太郎  西尾関仲』 『京都鐘鋳匠岩澤徹政』は京都の鋳物師(いもじ)である

『念願 人類幸福』

『当山十一世 兵関那沖』

『昭和三十八年二月十七日』

極楽浄土の天女の舞いに卍字を刻む

『銘日 世界平和鐘』


平和の象徴である鳩に十字


埴生の大池と八幡山

2020-02-18 | 伝承
大池と八幡山
埴生の八幡山は八幡太郎義家の子孫が最道坊親水で、「八幡山」の名はここからつけられたそうです。
旧埴生郵便局の裏山が地元では『八幡山』と呼んでいます。横に『大池』がある。園部藩(三万石)の領地
埴生は肥沃な田園地が広がっているが、百姓は水に悩まされてきた。少し日照りが続くと下の田は水不足で田は干上がってしまう。ここで水のトラブルが度々発生する。特に穂らみの時期に水が不足すると、秋の収穫に打撃を受け死活問題となる。ここで百姓たちは養い池を造ってほしいと藩に申し出る。貧乏藩の「園部藩」としては租税が上がり、百姓たちのトラブルも解消…藩が潤うことになる。積極的に大池造りに取り組み大事業は完成した。
大池を掘って出た土は横に築山に盛りました。今、八幡山と呼ぶところです。その土のところは何を植えてもうまく育たず…、竹を植えられています。現在は地域の人たちにより清掃管理されています。(郷土の小学校の昔話より)
<大池の全景>

<豊穣の大地と八幡山>

<当時の石垣が…残っている>

埴生(はぶ)街道

2020-02-17 | 古文書
篠山街道はその昔、参勤交代に使われた旧街道で、武士・商人・旅人が利用した街道であった。

『埴生はむかし 宿場として 栄えた ところである 本陣・脇本陣その他 宿屋は数件あった 老の坂を無事越えられても 埴生の 宿場が無事に越えられるか どうか……埴生の宿場は 旅人にとって おそろしい町であったとか』(原文を解読してみました。当時の埴生の宿場の様子がうかがいしれます。園部町図書館郷土コーナーより)
埴生の宿場、「本陣・脇本陣・米利・竹屋・丸屋・ます屋・糀屋」などがあった。当時の面影が残っていますね…。

愛宕山の石灯籠

2020-02-15 | 石仏
埴生の街道沿いに『愛宕山の石灯籠』
北向き地蔵の右隣に、愛宕山の石灯籠がある。地蔵につづき灯籠に刻まれている文字の同定をしてみましょう。『 愛宕山 奉之立 』『 元文元年 丙辰 』の銘がよみとれます。風化が激しく元号の頭の文字が読み取り不可に近いが、干支の丙辰が読み取れますので、元号は元文と読むしかない。創建から284年の歳月経過をすると花崗岩(石英閃緑岩)の硬い石も風化が進行します。300年もたつと文字が崩れ読み取り不可となります。読める内に記録として残しておく必要あり。(2020.2.14)


北向き地蔵 園部町埴生

2020-02-14 | 石仏
埴生の『 北向き地蔵 』
ありがたいことに、願いをすれば叶えて戴けると言う『北向き地蔵』が、園部町埴生地区にある。北向きの地蔵は全国的に見ても珍しいお地蔵さんです。霊験あらたかな地蔵ですが…令和の世、知る人は少ない。

当時、埴生は篠山街道の要の宿場であった。多くの旅人が草鞋をぬぎ旅を存分に楽しんだことである。人の願いを叶えて戴ける「パワースポット」が埴生の『 おきた地蔵 』『 ねぶた地蔵 』『 北向き地蔵 』であったと地元古老は話す…。その一つが『 北向き地蔵 』さん、長年の風雪で顔かたちは、定かではないお姿になっているが、霊験パワーは劣ってはいない…願えれば…叶う!!。地蔵は新道が拡幅改修により現在地に鎮座する。
(注)北向き地蔵は各地にありますが、その数は少ない。地蔵に願いをすれば叶うと言われている。

< 願い叶う 北向き地蔵 >

< 愛宕山 元文元年(1736)丙辰 愛宕山 奉之立 >の陰刻銘有

< 旧篠山街道はここより100m左山手側 > 街道歩きの時は、足を止めて…願いを…