体育の日の前日、妻たちの命日会が東京・品川区の寺で行われ、それに参加する妻を送迎した。
そのついでに、神奈川県丹沢湖に足を延ばすことにした。少し先の中川温泉に、安くて、各部屋にトイレがあり(丹沢の安宿では珍しい!)、家族風呂が使えるという宿も取れた。風の便りで、「丹沢湖にクマタカが出るらしい」と聞いていたのだ。これで、足腰の不自由な妻の温泉入浴を、面倒を見てあげられるから、不満は無いだろう…。
命日会自体は例年の行事なのだが、今年は「熱中症」で倒れて、その予後が長引いていたので、多少気が弱くなっていたのかもしれない。この機会を逃すと、もう行けないかも…、と。
最初の前泊宿である自由が丘のホテルは、ここいらの歩行天(ホコテン)みたいな人込みの上、一方通行の狭い路地を出直して、ようやく妻と荷物を降ろしたのだが、この作業と、特約の駐車場(東京の安宿でこれは珍重!)が信号二つをクランクに曲がって漸く辿りついたりして、結果、大汗をかいていた。不思議なことに、この大汗の所為か、熱中症以来一カ月近くグズグズしていた体調が、意外にもスッキリしたのだった。都合2泊も外泊して贅沢な気がしていたが、怪我の功名なのか、「これで好し」、と考えることにした。
命日会が思いの外早く終わったせいか、3時過ぎには丹沢湖に着いてしまった。下見を兼ねて、東端側の玄倉(クロクラ)橋の方へ回ると、路肩には要所要所に車が乗り捨ててある。しかし悪天候の所為か、カメラを持った人は極めて少ない。
そのうちの一人、長レンズを手持ちして歩いている人に声をかけると、「自分は、地元で、大体午後出動。クマタカは今日は出ない」由。
早々に宿に入り、家族風呂を楽しむことにした。
宿で目いっぱいお土産などを買って、急遽頼んだ昼食用のお握りを受け取って(幾つかの施設が閉店状態なのだ)、10時過ぎに到着すると、2~3のグループが既に大砲を据えていた。一つは右岸の尾根を狙い、他は、上流の尾根を狙っている。しかし、予報通り、陽光が無く、風も無い。クマタカの出る気配が感じられないのだ。
皆の声と、独特の啼声で振り返ると、下の玄倉川の石にカワセミが止まっている。距離は数十mか?一度だけ、流れの緩んだところに飛び込んで漁に成功した。
また、橋の反対側の下流では、カワガラスが頻りに動いて、流れに潜ったりした。
上流側の砂防ダムの落ち込みの流紋は撮ってみると印象的だった。
往復500kmを超える距離で、あの「箱崎」経由であることから、再訪は難しそうな”本命空振り”の旅行でした。
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