世に不慣れなオオタカ幼鳥、トビ幼鳥、そして少し世慣れたゴイサギ幼鳥に纏(まつ)わるエピソードです;
ふと気付くと、砂洲の最下流辺りで、オオタカ幼鳥がゴイサギ幼鳥を抑え込んでいます。水まで近いのですが、水攻めはせず、生きたまま、うまく抑え込んでいます。
もう羽毟りを始めています。ゴイサギは、生気は失っていませんが、口も半分開けたまま、すっかり観念した様子です。てっきりこのまま食べられるものと…。
そこへ突然、左手上空から、トビが舞い降りてきました。これも幼鳥のようです。餌をよこせ、という単純な行動かもしれませんが、成鳥同士なら、こんな場面は見ません。
一方オオタカは習性なのか、不慣れなせいか、驚いたように、餌を離して飛び退きました。
一瞬の出来事で、ゴイサギはまだ従順に抑え込まれた格好を保っています。
当面の主敵がトビに変わったことを察知したゴイサギは、そのトビの方に向きを変えて、羽をバタつかせ、口を思い切り開いて威嚇し、「おれは生きている、手出しは出来ないはずだ!」とでも言うように元気な様を誇示しています。先ほどまで、オオタカの抑え込みに大方観念していたのとは打って変った豹変ぶりです。
見ていると、トビは、ゴイサギが生きてピンピンしているのに気付いて、手出しをしません。(オオタカ幼鳥は勿論、トビから身を退いているわけで、見ているだけです。)
ここでゴイサギ幼鳥は、どこで学んだのか、旧敵のオオタカはトビに遠慮しており、トビ幼鳥は生きたゴイサギの勢いにのまれて手出しできないでいる、 という力関係を見抜いたように、その隙を逃さず、さっさと川面を目指して走り出し、ついには飛び立ってしまいました。
筆者が、ここでつい笑ってしまったのは、ゴイサギが逃げ始めてから、それと気づいたオオタカとトビは、漸く気を取り直して追跡体制ですが、小砂利の上を走ったのです。両者揃って、飛ぶことを忘れたかのように、…。
揃って幼鳥同士、全く未経験の事態に、余程慌てていたのでしょうか。
その点、恐らく猛禽でないゴイサギのみは、そんな猛禽地獄を生き抜くために、少しは早く生まれたようで、その分知恵が働いて、二正面の猛禽を手玉に取ったような強(したた)かさを感じました…。
なおこの逸話は、ちょうど二年前のもので、今年、幼鳥の狩はまだ見受けないことは再々触れているとおりです。
(一度記事にしたような気がするのですが、システムの不調が有ったりして、現在見出すことができませんので、革めて記事にしました。もし重複していたらお知らせください。)
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