2022年3月13日のことだ。
BANDAI SPIRITS『装甲騎兵ボトムズ1/20スコープドッグ』の製作を終え、完成作品の写真を撮った。
写真のコンセプトは、戦うことに虚しさを感じたキリコが武器を捨て、己の血塗られた宿命(さだめ)を呪いながら立ち尽くす・・・という設定だ。
装甲騎兵ボトムズ第1話におけるキリコのモノローグを被せながら見てほしい。
「俺は戦った。始めは生まれ故郷の為と信じて戦った。だが、戦いは長引くばかりで終わりが無かった。俺は疲れた。誰も彼もが疲れていた・・・。」
当初の計画では箱絵のイラストのようにメイン武装のヘビィマシンガンを構えて瓦礫に立つ姿で撮影するつもりだった。
セメントや針金を用いた瓦礫のジオラマも準備していた。(閲覧注意)
しかし・・・。
ロシアとウクライナの戦争の真っ只中の今、メディアにはロシア軍の攻撃で破壊されて瓦礫と化したウクライナの街のようすが映し出されている。
瓦礫の向こうには、平和な暮らしを奪われ、理不尽に殺されてしまった多くの人々の命がある・・・。
瓦礫を見ただけで嫌な気持ちになる人もいるであろう。
災害で生じた瓦礫も例外ではない。
そんなご時世に、破壊された街の瓦礫の上で好戦的なポーズで立つ戦闘兵器(スコープドッグ)のジオラマは不謹慎かもしれないと思った。
だから写真のコンセプトを変更したってわけだ。
戦争はアストラギウス銀河のギルガメスとバララントだけの話にしておいてほしいものだ。