ウラ技・バレーボール技術・戦術研究会

実際に使って来た9人制バレーボールの技術・戦術のウラ技。ママさんバレー、一般のクラブチームではかなり通用しますよ。

中衛センター養成プロジェクト(その28・・・横位置調整の基本)

2011年11月11日 07時11分23秒 | 戦術

はじめに
ブロッカーとレシーバーの連携について、お話してきましたが、今日から実際のプレーでどのような位置にレシーブポジションを取るかという話をしていきたいと思います。

トスを見て縦位置を決めたら、サイドに動きつつレシーブ場所を探す
試合が始まって、2~3本スパイクを見て、おおよその縦位置が把握できたらトスアップの状況を見ておおよそのレシーブポジションに入ります。
例えば、下図で言いますと黄色のゾーンですね。

この緑シャツ選手がいるa,b,cのうちのどこにポジションを取るかということになるわけなんです。
ここでブロックとの連携が必要となります。

ブロックの隙間に入って強打を待つ
上記図のとおり、黄色のゾーンに入りましたら、今度はブロックの状態を見ながら、横位置の調整に入ります。
ちょうど下図のようにブロックの脇や間からボールが見える位置に入って強打を待つわけです。

ボールがの位置に見える時の対応
ボールがのように見える位置にポジションを張るのが基本ですね。
先に縦位置を合わせておりますから、その状態での位置にボールが見える状態でスパイクされるとなると、かなりの確率で、自分のところに強烈なスパイクが来ることとなります。

ボールがの位置に見える時の対応(と見える位置に移動する。)
ボールがのように見える時は、スパイクが図面中左側のブロッカーの左手にあたって、の方向にボールが変化する可能性があります。

これでは中衛センターのところにボールが来ません。レシーブ範囲ではないと判断します。

ここから重要
しかし中衛センターはボールがの状態に見える場合、自分のポジションにボールが来ないと安心していてはだめなんです。
この場合は、ほんの少し(50~100cmくらいですかね・・)サッと、すばやく左に移動します。
すると、左に移動したことによって、だったボールがのように見えることになりますね。
その場所が強打を待つ時のポジションということになります。

ボールが●に見える時の対応
ボールが●の状態に見える時というのは、ネットより下の状態ですからこのままスパイくしてきたら、そのスパイクボールは中衛センターのオーバーカットの位置か、バックに任せるというコースをたどります。
その一方で、ネットに掛ってネット際に落ちたり、フェイントのようなボールが来ることがあります。

そうした、相手が処理に困って苦し紛れに返して来るボールにも意識を持って守ることが必要となります。
オーバーカットの準備をしつつ、イレギュラーで前に落とされるボールにも注意するということですね。

ボールがに見える時の対応
実は、こういう状態に見える時が中衛ラインで守る選手(中衛センター、後衛両サイド、中衛両サイド等)は一番難しいのです。
この場合は下図の青ゾーンのとおり、自分がいる場所よりもかなり前にスパイクされる可能性があります。

このような状況の時、アタッカーがどのようなスパイクをして来るかについては、ほんとに、3本くらいは、じっくり見て縦位置を絞るしかありません。

アタッカーによって、あるいはその日のセッターのトスの具合や、ブロッカーとの力関係等によって、ネットすれすれの鋭角なスパイクをして来る場合と逆に打点を落とさないように足長に打って来る場合とに分かれるのですね。

で、その縦位置(縦位置の特定方法の詳細は中衛センター養成プロジェクト(その25・・・実戦での縦位置のポジション探し)の記事を見て下さいね。)を下図のように把握した上で、後は、アタッカーとの駆け引きでブロックの隙間に入ったり、ブロックの後ろでワンタッチボールやブロックの上から来る足長のスパイクを待ってレシーブするということになります

こうして見ていくとの状態の時はずいぶんレシーバーとしては対応しにくいではないか・・・・ということになり、これをレシーブする方法を教示願いますという方が出てきそうな雰囲気ですが、実は、こういうスパイクというのは、だいたい決められてしまうのです。
絶対的な打点の高いアタッカーに対してはブロックが届かず、レシーブの範囲も絞りにくいというのが実際あって、ほとんど太刀打ちできません。

しかし、勝負する方法がまったくないわけでもない(ここ、重要
手に負えない、打点の高いアタッカーが相手チームにいる場合、当方としては、かなりのハンディーを背負うことになりますが、それでも勝負する方法がまったくないわけでもありません。

例えば、いいサーブを打って相手チームに二段トスさせ、打点の高いアタッカーにネットから離れた位置からスパイクさせるようにするとか、

当方としてはチャンスボールを返さないようにできるだけ打って返し、その際の狙いどころも相手コートの角1mくらいを狙えるようにするとか・・・

そういうところで、勝負できる体制を作ってから勝負する方法があります。
守る側としては、このようなアタッカーに対しては、十分な体勢でスパイクさせないようにすることが大切になってきます。

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2 コメント

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磯野さんへ (ゆうこ)
2011-11-12 09:30:36
ここまでの記事、理論として頭の中に叩き込むべく何度も読んではシュミレーションしています。あわせて日々の練習の中では、「今日はここに気をつけてみる」と自分で決めて取り組んでいます。まだまだ導入の部分でしか練習できてないので、今は、
 ①重心を低くしたままレシーブすること
 ②ボールとネットの位置関係を見ること
を意識しています。
でも瞬時に判断して、なおかつ動くというのは
今の私には神業としか思えません!!
今まではあてずっぽうな感覚だけで動いていたので、周りから見てもなんとなくスピード感だけはあるように見られていたんだと思いますが、意識してボールやアタッカーを見ている今は、周りから見ると動きが悪くなったと感じるようです・・・が、これも無駄な動きをなくし、強打に対抗できるようになるための過程と言い聞かせ、根気よく意識的な練習をしていこうと思います。

磯野さんにうれしい報告をお伝えできる日はまだまだ先かと思いますが、頑張ります!
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ゆうこさんへ (磯野)
2011-11-12 10:33:19
お疲れ様です。
こうして、文章や図面にしますと、あれも伝えておこう、これも伝えておこうという具合になって、ほんとに偉く大騒ぎになってしまっている感があり、記事にしながら混乱しないかを心配しつつ、記事をアップしている状況です。

練習現場で指導する場合は、ほんとに、ここまでの内容について教示するのに、10分もかかりません。
実際にネットやブロックやボールを使って見せながら口頭で説明し、ボールを打ってやれば一目で理解できる程度のものなのです。
そういう点で、ゆうこさん大変だとは思いますが、基本を理解した上で応用もできるよう説明していきますので、一度に全部やるのではなく、ゆうこさんが言われているように、着実にひとつずつ身につけて、行くのがいいと思います。

一番気になるのは、実際にゆうこさんのプレーを見ている訳ではないものですから、うまくすすんでいるのかな・・・・ということなんです。
しかし、本日のコメントを見て、少しいい感じかもと感じたことがありました。
それは
「今まではあてずっぽうな感覚だけで動いていたので、周りから見てもなんとなくスピード感だけはあるように見られていたんだと思いますが、意識してボールやアタッカーを見ている今は、周りから見ると動きが悪くなったと感じるようです・・・が、これも無駄な動きをなくし、強打に対抗できるようになるための過程と言い聞かせ、根気よく意識的な練習をしていこうと思います。」
の部分なんです。
あてずっぽうではなく、見切ってから動くということになると、このような感じになっていきます。
うちの職場の若手も、今年4月末からバレーボールを始めたばかりで、ドタバタしていましたが、このような感覚を掴ませることで、的をしぼってポジションを張り、自分がポジションについた場所がブロックの後ろかそれとも間かということで、レシーブの感覚(強打を待つか、ワンタッチを待つか・・・)を切り替えるだけで、ずいぶんレシーブ力が上がってまいりました。

ゆうこさんの場合、中衛センターですので、様々なパターンが登場し難しい面はあります。
しかし、ボールに飛び付く気迫を買われてそのポジションを張ることになった訳ですし、このブログのコメントから感じる気迫を見れば、これを克服するセンスは持ち合わせていると判断します。

やる気があれば、必ず到達しますから、あせらず、他人と比べるのではなく、昨日の自分より少しでもうまくなるという気持ちで頑張ってください。
その意味で、一日一日の練習で、目標を掲げて練習されているのは大切と思います。
後ですね、自分の成長度合いとうまく行った点、行かなかった点を整理するべく、この練習期間だけでも日誌を付けることをお勧めします。

練習のどこにポイントを絞ってやったのか、結果どうだったのか、それについて、どう思ったのかなどです。すると、日々の練習目標が単発とならず、継続的なものになって来て、これがとても自分を成長させるのに役立つのです。
頑張ってください。

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