足の短いオープントスの威力

相手チームのブロックの付き方を見る
指導を開始して３週目の練習試合で大敗しましたが、その一要因に、当方のレフトオープンの平行がことごとくマークされブロックの餌食になったというのがありました。
しかし、そこに活路を見い出すヒントが出てきました。
この時のトスは上記図のとおり、
アタッカーは黄色シャツのとおり走り込んでスパイクしていたのですね。（この時点で、黒シャツのアタッカーは無視願います。）
つまり、
レフトオープンはレフト側のアンテナ傍で、オープン又は平行を打ち
前衛レフトはＡクイックを
前衛ライトはＣクイックを
中衛センターはＣクイックまたはＡクイックの後ろで時間差のセミを
中衛ライトはライト側のアンテナ傍で低めのオープンを打って
いたのですね。
その場合のトスは●→●で示しています。
（この時点で●→●のトスもないものと考えて下さい。）

その場合の相手チームのブロック５枚の付き方は赤シャツの選手のとおりです。
（この時点でピンクシャツのブロッカーは無視願います。）
当方の中衛レフトに対して、２枚、後は原則１枚ずつなのですが、当方の中衛ライトに対して１．５枚～２枚のブロックになることがありました。
で、特徴的だったのは、当方の中衛レフトをマークしているブロック２枚が、平行に対応して早い段階からレフト側に寄っているということでした。

対策
戦術１・・・ライト側からの攻撃でポイントを積み重ねる。
これは図を見れば分かるとおり、ライト側から３名のアタッカーが仕掛けるのに対して相手チームは２名のブロッカーで対応していることから、
ライトオープンのトスを若干低くし（最終目標は平行だったのですが、この時点では、まだ、技術的な問題でライトの平行はできなかったのです。）、ブロックを１枚～１．５枚にしたところで、ここからの攻撃でポイントを重ねるということを考えたのでした。
ただ、平行を打つという姿勢も示して、相手チームの核となっている前衛ライトの選手をレフト側に引っ張っておく必要があることから、従来から行っているブロックカバーについても、中衛レフトははじめからスパイクをクロスに打つという約束の上で、レシーバーはクロス側について的を絞ってブロックされた場合のフォローをさせるようにしました。

戦術２・・・・足の短いレフトオープントス
先の練習試合では、当方の中衛レフトが平行を打つ可能性が高いと見るや、相手ブロッカーは最初から当方のレフトオープンをマークして、早い段階でアンテナそばまで行っている状況が見えました。
そこで、その裏をかいて、足の短いオープントスを上げ、そこからインナーを破るスパイクを打たせることにしたのです。
これは、トスを●→●のとおり、Ａクイックをマークしているブロッカーとレフトの平行をマークしている、内側の選手のちょうど中間に上げるというものです。

そして、その攻撃は相手チームの核となる前衛ライトの選手がサーブに行ったときに代わりに入ってくるブロッカーが付いた時には必ずやろうというように決めました。

この時の相手サーバーは、相手チームの前衛ライトの選手ですから、ブロックのコンビネーションが狂うことが期待できます。
特に、中衛レフトが「平行、平行」と平行を呼びつつ、オレンジシャツの位置に構えて、ブロッカーをレフト側に引っ張った上で、ブロッカーの前を走り抜け黒シャツの位置でクロスにスパイクすれば、ブロッカーがサイドステップでこれを追いかけるのは至難のワザなのですね。また、仮にマークされたとしても、サーブに行っている前衛ライトの選手の代わりを務める言わば本職ではないブロッカーのわけですから、このブロッカー１枚なら、当方のエースで十分太刀打ちできます。
結果相手チーム前衛ライトの選手のサーブを早い段階で切れるのではないかということなのです。

このような戦術を検討し、セッターにボールが返らない場合でも（相手前衛ライトの第一サーブについては、上げれば良し・・としました。）二段トスは同様に足の短いトスで対応することとしたのです。
はじめから、この約束をしておいた上で、エースにはここが勝負どころなので、少々トスが乱れても追いかけて打てという指示をしたのでした。

っと、まあ、相手の高いブロックに対しては以上のような戦術を立てたのであります。

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